波が砕けるところ

海と川

浅瀬で波が崩れる帯と、そこで生まれる流れ

どんな流れ?

沖から届いたうねりが浅瀬に入ると、数十メートル進む間に背が高くなり、波の頭が前へ倒れて白く崩れます。崩れる帯は岸と平行に並び、潮位や波の大きさで位置が動きます。崩れた水は岸へ押し寄せ、たまった分はどこかで沖へ戻ります。浜辺で足もとの砂が持っていかれる感じは、この行き帰りの一部です。

なぜ起きるか

波は水そのものが進むのではなく、形が進む現象です。水深が浅くなると波全体の進む速さが落ちて背が高くなり、水の深い波頭のほうが谷より速く進むので前のめりの形になります。波頭の水の速さが波形の速さを追い越したところで、支えを失った頭が前へ倒れます。岸へ運び込まれた水は積み上がったままでいられず、高くなった岸側が沖側を押し返し、狭い筋を通って沖へ戻ります。これが離岸流です。

どこで見られるか

砂浜では白波の列として、岩礁やサンゴ礁では沖の決まった線として見えます。白波が立たない筋が横切っていたら、そこは周りより深く、沖へ戻る流れがある目印です。同じ浜でも潮が引いた時間帯は崩れる位置が岸寄りに移り、うねりの大きい日ほど帯は沖側へ広がります。高い場所から眺めると筋の並びが分かります。

危険と注意

岸へまっすぐ泳いで逆らうのは危険です。沖へ運ばれはじめたら流れと争わず、岸と平行に泳いで帯から外れてから戻ります。吸い込まれているのではなく、岸に積み上がった水に押し出されているだけなので、離岸流は幅が狭く数十メートル横へ出れば抜けられることが多いものです。遊泳は監視のある区域で行い、当日の風と気象庁の波浪情報も確認してください。

解説動画: 大実験!恐怖の離岸流/ABS秋田放送

離岸流は波が沖へ戻る流れ: 海岸に打ち寄せた波が沖へ戻ろうとするとき、その場所だけに起きる水の動きが離岸流。沖へ向かうので、巻き込まれると泳ぎに自信がある人でも逆らえず、そのまま溺れる事故につながる。動画は、長年この流れを研究している専門家と海上保安部・消防・警察の合同調査を追っている。

着色剤とドローンで見えるようにする: 透明な流れはそのままでは見えないので、ダイバーが海岸から30メートルほどの場所まで出て、水に触れると色が変わるシーマーカーという着色剤を流し込む。海面や水しぶきが蛍光色に変わり、それを上空のドローンで追うと、色のついた水がゆっくり、しかし確実に沖へ動くのが分かる。

測れた流れの大きさと速さ: このとき確認された離岸流は、幅およそ10メートル、長さ140メートル、速さは毎秒1メートルほどと推定された。しかもこの日の調査では一つの海水浴場で4か所見つかっている。専門家は、波がある場所なら世界中どこでも起き、波の高さに応じて速い遅いはあるが穏やかでも発生すると話す。

流されたときにすること: 海上保安部の説明は、沖へ流されたらまず海岸と平行に泳ぐこと。そうすれば離岸流の動きから逃れられる可能性があるという。専門家は、体力を消耗していたり泳ぎが得意でなければ、流された先で浮き続けて救助を待ってほしいと言う。監視員のいない閉鎖中の海水浴場や遊泳禁止区域、離岸堤などの構造物の近くでは泳がない。県内では2014年から2016年に7人が巻き込まれ、全員が救助されている。