波が砕けるところ
海と川
流れているもの: 水
波が砕けるのは、浅瀬で急になった波の頭が前へ倒れ込む仕組み。
どんな流れ?
沖から届いたうねりは、浅くなる浜の近くで背が高くなり、波の頭が前へ倒れて白く崩れます。どこで崩れるかは、浜の水深の変化が左右します。この崩れる帯を、砕ける波の帯(サーフゾーン)と呼びます。崩れた水は岸へ押し寄せて打ち上がり、そこにたまった水はどこかの狭い筋を通って沖へ戻ります。その戻る流れが離岸流で、幅はおよそ20から30メートルです。
なぜ起きるか
解説動画 The Action Lab は、波を急にする働き(非線形性)と広げる働き(分散)のつり合いで波の形が決まると説明しています。浅い水の波が浜へ近づくと急にする働きが勝って、波は自分の上へ倒れて砕けます。砕けたあとの乱れがエネルギーを運ぶ仕組みは、孤立波などの単純な波を数値計算で再現して調べた研究があります(Pengzhi Lin, 1998)。
どこで見られるか
砂浜では、白い泡の帯が岸と平行に並んで見えます。その帯が途切れて白波が立たない筋があれば、そこは沖へ戻る流れの道すじの目印になることがあります。高い場所から眺めると、帯は岸と平行に、戻る筋はそれを横切る形で見えます。浜に着いたら、まず白波の途切れ目を探し、遊泳区域の監視員の指示にも従ってください。
危険と注意
岸へまっすぐ泳いで逆らうのは危険です。沖へ運ばれはじめたら流れと争わず、岸と平行に泳いで帯から外れてから戻ります。吸い込まれているのではなく、岸に積み上がった水に押し出されているだけなので、離岸流は幅が狭く数十メートル横へ出れば抜けられることが多いものです。遊泳は監視のある区域で行い、当日の風と気象庁の波浪情報も確認してください。
出典
- 動画・英語 The Action Lab This Strange Wave Changed Physics Forever
- 公的機関 国土技術政策総合研究所(国土交通省) 海岸研究室 資料館 海水浴での水難事故を未然に防ごう!
- 論文・英語 Pengzhi Lin(1998) A numerical study of breaking waves in the surf zone
解説動画: 大実験!恐怖の離岸流/ABS秋田放送
離岸流は波が沖へ戻る流れ: 海岸に打ち寄せた波が沖へ戻ろうとするとき、その場所だけに起きる水の動きが離岸流。沖へ向かうので、巻き込まれると泳ぎに自信がある人でも逆らえず、そのまま溺れる事故につながる。動画は、長年この流れを研究している専門家と海上保安部・消防・警察の合同調査を追っている。
着色剤とドローンで見えるようにする: 透明な流れはそのままでは見えないので、ダイバーが海岸から30メートルほどの場所まで出て、水に触れると色が変わるシーマーカーという着色剤を流し込む。海面や水しぶきが蛍光色に変わり、それを上空のドローンで追うと、色のついた水がゆっくり、しかし確実に沖へ動くのが分かる。
測れた流れの大きさと速さ: このとき確認された離岸流は、幅およそ10メートル、長さ140メートル、速さは毎秒1メートルほどと推定された。しかもこの日の調査では一つの海水浴場で4か所見つかっている。専門家は、波がある場所なら世界中どこでも起き、波の高さに応じて速い遅いはあるが穏やかでも発生すると話す。
流されたときにすること: 海上保安部の説明は、沖へ流されたらまず海岸と平行に泳ぐこと。そうすれば離岸流の動きから逃れられる可能性があるという。専門家は、体力を消耗していたり泳ぎが得意でなければ、流された先で浮き続けて救助を待ってほしいと言う。監視員のいない閉鎖中の海水浴場や遊泳禁止区域、離岸堤などの構造物の近くでは泳がない。県内では2014年から2016年に7人が巻き込まれ、全員が救助されている。