栓を抜いたあとの流れ
風呂
抜き始めから空になるまでの速さの変化
何が起きている?
栓を抜いた直後は勢いよく減るのに、浅くなるほど遅くなり、最後の数センチがいちばん長く感じます。終わりごろには小さな渦が立ち、空気を巻き込んでゴボゴボという音に変わります。抜けきったあとも底には薄い水の膜と丸い水滴が残り、乾くまでしばらくかかります。
なぜそうなるか
出口から出る速さを決めているのは、上に乗っている湯の深さです。深いほど強く押し出されるので、深さが四分の一まで減ると速さはおよそ半分になり、最後のひと息が長引きます。湯にもとからあった弱い回転は、出口へ寄せ集められるほど速く回り、渦になります。渦の芯に空気の柱が入ると排水口の一部を空気が占めるので、水の通り道はさらに狭まり、流れる量が落ちます。
確かめ方
抜きはじめの十秒と終わりぎわの十秒で、水位が何センチ下がるかを浴槽の目盛りで見比べます。渦の向きは、抜く前に手でわざと逆に回しておけば変えられます。地球の自転で向きが決まるという話が、浴槽くらいの大きさでは効かないことを、自分の手で確かめられます。
つながる現象
渦が中心へ行くほど細く速くなるわけは排水口の渦に書いてあります。底へ残る薄い膜と丸い水滴は表面張力のはたらきで、水が自分の表面を小さくしようとした結果そこにとどまります。膜が張っているわけではありません。終わりぎわに音が変わるのは、渦の芯を通って空気が管へ入るからです。
解説動画(海外・英語): Torricelli's Theorem & Speed of Efflux, Bernoulli's Principle, Fluid Mechanics - Physics Problems/The Organic Chemistry Tutor
タンクの穴から出る速さ: 大気に開いたタンクに穴があり、水面が穴より20メートル高いとき、出ていく水はどれだけ速いか、という問いから始まります。使うのはトリチェリの定理で、速さを決めているのは水面と穴の高さの差だけ。差が20メートルならおよそ19.8メートル毎秒と、数を入れて計算して見せます。
エネルギー保存でも出る: 同じ関係はエネルギー保存からも導けると続けます。液体が下がるぶん高さのぶんのエネルギーが減り、その減った分が動きのエネルギーに変わる、と置くだけです。両辺に同じ質量が並ぶので重さは消えてしまい、残るのは高さの差と重力の強さ。重さの違いは効いてきません。
ベルヌーイでも同じ答え: 三つ目の道筋がベルヌーイの式です。水面も穴の外も同じ大気に触れているので、押す力は同じとみなせて差は消えます。タンクが大きければ水面が下がる速さはごく遅いから、そこもゼロと置いてよいと断ったうえで残りを整理し、先ほどとまったく同じ関係にたどり着きます。
上から押すと速くなる: 次は密閉したタンクの問題です。水面の上の空気が大気より4.5気圧高い場合、外は1気圧なので、効いてくるのは二つの差のほうだと押さえます。深さ25メートルと合わせて計算すると、出口の速さは37.4メートル毎秒まで上がります。