温度計
はかる道具
温度計は、発酵の失敗で最も多い原因である温度を、体感ではなく数字で確かめるための道具です。
どんなもの?
発酵の失敗で最も多い原因は温度です。「あたたかい場所」「人肌」といった感覚的な言い方は、人によって10℃以上ずれます。最初に買う道具を1つだけ挙げるなら温度計——麹菌は35℃前後、乳酸菌は20〜40℃、酵母は25〜30℃と狙う温度が菌ごとに違い、米国ペンシルベニア州立大学の公的機関は食品用の温度計に±2°F(約1℃)ほどの精度を求めています。
選び方
液体に挿せる棒状のデジタル温度計が、いちばん汎用が利きます。0〜100℃程度の範囲があれば、麹も甘酒もヨーグルトもこれ1本で足ります。Bearded & Bored(YouTube)は、家庭の冷蔵庫は通常35〜45°F(約2〜7℃)までしか下がらず、発酵向きの低温にならないと説明し、プローブ付きの温度コントローラーで庫内を実測しながら管理する方法を紹介しています。表面温度だけを測る非接触型は、中心の温度が分からないので発酵には向きません。
使い方のコツ
測るのは容器の中心——縁と中心では数℃違います。麹や大豆に種菌を入れる前は、必ず温度を測ってから。UC ANRは氷水に温度計の芯を沈め、0℃前後を示すか確かめる校正法を示し、米国ペンシルベニア州立大学の公的機関は、沸騰したお湯(100℃)でも同様に確かめられるとしています。パン作り研究家 ナオキパン(YouTube)は、電子レンジの発酵機能は設定温度どおりに庫内がなるとは限らないとして、温度計を庫内にしばらく置いて実際の温度を測るよう勧めています。
手入れ・注意
使ったらすぐ拭く——センサー部分に食材が残ると、次の仕込みに持ち込みます。防水表示の無いものを水に沈めないでください。米国ペンシルベニア州立大学の公的機関は、落としたときは必ず精度を確かめ直すよう勧め、目安として1日1回ほどの点検を挙げています。バイメタル式(アナログ)は目盛り下のナットで校正できますが、デジタル式は通常校正できないので、ずれに気づいたら買い替えを検討します。
出典
- 公的機関・英語 Sharon McDonald, MEd, RD, LDN(Penn State Extension) Thermometer Use and Calibration
- 公的機関・英語 UC Master Food Preservers of Central Sierra(UC ANR)(2025) Preserve it! Series: How to Calibrate a Food Thermometer
- 動画・英語 Bearded & Bored How To Use an INKBIRD ITC-308 Temperature Controller for Fermentation
- 動画 パン作り研究家 ナオキパン 【知らないと過発酵の恐れも】レンジ発酵で失敗しないための考え方と工夫を伝授します