昆布・唐辛子・山椒(副材料)

塩と材料

昆布・唐辛子・山椒(副材料)は、うま味や香りを足すだけでなく、唐辛子には防カビの働きもあるとされる副材料です。

どんなもの?

糠床や漬物に加える副材料です。昆布のうま味成分はグルタミン酸で、池田菊苗が1908年に突きとめました。唐辛子は香りと辛み、山椒は香りを立てます。漬物メーカーの東海漬物と九州大学のチームは、24℃・60日の実験用糠床で山椒か唐辛子を入れると、入れないときより乳酸菌が早く増え、発酵の初めに優勢なブドウ球菌の期間が短くなったと報告しています。

選び方

昆布は出汁用の切れ端で十分。唐辛子は種を抜いた鷹の爪が扱いやすく、ぬか1kgに対して1〜2本が目安です。入れすぎると辛みと香りが漬け物を支配します。

使い方のコツ

昆布は数センチに切って埋め、しばらくしたら取り出す—— 入れっぱなしにするとぬめりが出ます。唐辛子と山椒は床全体に散らして埋めます。干し椎茸や煮干しを入れる作り方もありますが、たんぱく質が多いぶんアンモニア臭の原因にもなります。

手入れ・注意

副材料を入れっぱなしにして忘れるのが、におい悪化のよくある原因です。入れた日をメモしておくと管理が楽になります。

出典

  1. 論文・英語 Ono H, Nishio S, Tsurii J, Kawamoto T, Sonomoto K, Nakayama J(東海漬物・九州大学)(2015) Effects of Japanese pepper and red pepper on the microbial community during nukadoko fermentation
  2. 公的機関 国立国会図書館 「うま味」の発見(本の万華鏡 第17回 日本のだし文化とうま味の発見 第3章)

解説動画: 【プロ伝授】ぬか漬けの作り方!ぬか床の手入れや疑問をQ&Aで解決【カインズ】/カインズ公式チャンネル

雑菌が増えたときに: 漬物研究家が視聴者の質問に答える回です。良い床を保つには普段から菌のバランスを整えることが大切だと言い、少しだけ取って味見をするのがその確かめ方だとしています。崩れて雑菌が増えてしまったときには、唐辛子や生姜、山椒の実を加えると繁殖を防げると述べます。香りづけというより、荒れた床を立て直す手としての紹介です。

入れるとよくなるもの: 床がよくなるものとしては、ごぼう、干し椎茸、山椒の実、大根の茎と葉っぱを挙げます。干し椎茸は出汁が出て、床の味を良くしてくれるうえ、漬かったものはスライスしてそのまま食べられるとのこと。人参は皮をむいてから漬けると色がきれいに出るといった小さな話も、実際に取り出して見せながら添えています。山椒の実は、雑菌を抑える側でも名前が挙がっていたものです。

入れないほうがよいもの: 避けるものとしては傷んだ野菜や果物、卵の殻、動物性のものを挙げます。卵の殻は昔から酸味を抑えると言われてきたけれど、サルモネラ菌が繁殖した例があるので入れないほうがよいとのこと。地方によっては塩鮭の頭を入れるところもあるものの、動物性は酸化しやすいうえ、においも強く出るので初心者は避けたほうがよいと話します。

入れっぱなしでよいか: 「変色防止に入れた具材は、入れたままでいいのか」という質問にも答えます。そのまま入れておいて問題ないという答えで、ただし釘のような尖ったものは手を怪我することがあるので、角のない道具のほうを勧めます。糠床に何を埋めておくかを、味の面と安全の面の両方から選んでいる答え方になっています。

においが変わる理由: 床から刺激臭やシンナー臭がしてくるのは、乳酸菌が何らかの原因で死に、代わりににおいを出す雑菌が増えたためだと説明します。乳酸菌は温度変化に弱いので冷蔵庫の出し入れを繰り返さないこと、気温が高い季節は混ぜる回数を増やすことを挙げます。何を足すかの前に、置き場所と手入れを見直す順序になっています。