大豆

塩と材料

大豆は、味噌・納豆・醤油・テンペの主原料で、たんぱく質を麹菌や納豆菌がうま味(アミノ酸)に変えます。

どんなもの?

味噌・納豆・醤油・テンペの主原料です。たんぱく質が多く、麹菌や納豆菌がこれを分解してうま味(アミノ酸)に変えます。生の大豆にはトリプシンインヒビターという、消化酵素の働きを妨げる成分が含まれており、しっかり加熱することで働きが弱まります。味噌や納豆づくりで蒸す・煮るひと手間は、ここにも意味があります。品種と産地で仕上がりが変わりますが、最初はこだわらなくて構いません。

選び方

味噌・豆腐なら粒の大きい品種、納豆なら小粒から極小粒の品種が扱いやすいとされます。農林水産省の規格では、大粒は直径7.9mm以上、中粒は7.3mm以上、小粒は5.5mm以上、極小粒は4.9mm以上の丸いふるいで分けます。農研機構が育成した「里のほほえみ」は百粒重が約40gの大粒で煮豆・味噌・豆腐向き、「すずかおり」は極小粒で納豆加工に優れるとされます。古い豆は水を吸いにくく、煮ても硬いままなので、収穫年の新しいものを。

使い方のコツ

たっぷりの水に一晩(12時間以上)浸すのが基本です。夏場は冷蔵庫で浸けないと発酵が始まってしまいます。乾燥大豆は吸水して重量で約2倍、体積で2.5倍前後になります。納豆の業界団体は、浸水の目安を水温15℃なら15〜18時間、25℃なら7〜8時間とし、水温が高いほど短く済むとしています。味噌は指で潰せる硬さまで、納豆は少し硬めに仕上げ、茹でるより蒸すほうがうま味が逃げません。

手入れ・注意

乾燥大豆は密閉して冷暗所へ。虫がつくことがあるので、開封後は冷蔵が安全です。戻した豆は傷みやすいので、その日のうちに仕込みます。

出典

  1. 論文・英語 Luo Z, Zhu Y, Xiang H, Wang Z, Jiang Z, Zhao X, Sun X, Guo Z(Northeast Agricultural University)(2025) Advancements in Inactivation of Soybean Trypsin Inhibitors
  2. 公的機関 農林水産省 農産物規格規程(大豆の粒度区分)
  3. 公的機関 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)(2011) 里のほほえみ
  4. 公的機関 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)(2007) すずかおり
  5. 資料 納豆PRセンター(納豆の業界団体) 納豆ができるまで

解説動画: 味噌屋が教える手作り味噌の作り方(Miso professional direct transmission. How to make Miso)/河崎紘一郎

洗って浮く豆を捨てる: 味噌の仕込みを、味噌屋が前日と当日の二日に分けて見せます。用意するのは大豆と麹と塩の三つ。前日はまず大豆洗いからで、水をたっぷり張ると、水より軽いゴミや豆が浮いてきます。浮いてきた豆は捨てて、あとは豆どうしをこすり合わせるように洗う。これがひとつ目の要点だと言います。洗うときの水の高さも実物で示しています。

水は三倍、十八時間: 前日の作業で挙げる要点は三つ。洗うこと、水の量は大豆の三倍以上をたっぷり使うこと、そしてその状態で十八時間以上浸けることです。翌日には豆がぱんぱんにふくらんでいて、目方は二倍以上になると実物を見せながら話します。大豆はよく水を吸うものだ、という言い方をしています。

柔らかさを指で確かめる: 煮るのは大きめの鍋。水がないと大豆は柔らかくならないので、水はたっぷり使うようにと言います。大鍋なら四時間ほど、圧力鍋ならもっと短い時間でできるとのこと。煮上がりの見分けは指で、少し冷ましてから親指と小指で軽くつぶれれば合図だと実演します。前日の浸水から数えると、下ごしらえだけで二日がかりです。

潰し残しを作らない: 煮えた豆は水を切り、袋に入れて潰します。手で押しても瓶を使ってもよく、潰し忘れが残らないようにと念を押します。塩と麹は先に混ぜておき、白い色が均一になれば合図。そこへ潰した豆を加えると、ぱらぱらの状態から少しずつなじんでいきます。混ぜが足りないと酸っぱくなったり異臭が出るとのことです。

空気を抜いて詰める: 仕込みは団子にして容器へ投げ入れ、上からぐっと押し込んで空気を抜きます。表面には水で濡らした和紙を密着させ、空気に触れないようにするのが要点。中蓋を挟んでから重石をのせると圧が均一にかかります。あとは直射日光を避けた風通しのよい場所で一年ほど寝かせ、色がベージュから茶色へ変わっていくと結びます。