米
塩と材料
米は、麹を育てる土台であり、甘酒ではでんぷんが分解されて甘みのもとになる材料です。
どんなもの?
麹を育てる土台であり、麹甘酒の甘みは、麹菌の酵素が米のでんぷんを分解してできるブドウ糖です(酒造会社の八海醸造の研究者らの論文)。LifebyMikeG(YouTube)は、麹菌は乾いたままの米には育たず、蒸して粒がほぐれた米だと全体を覆えると説明しています。Eddie Shepherd も、米は水分が多すぎても加熱しすぎてもいけないと話します。
選び方
米は短粒でも長粒でも麹は作れます。LifebyMikeG(YouTube)は菌が好むのは長粒だと話し、Eddie Shepherd は短粒の白米を使います。酒類総合研究所らは、市販米24点でアミロースが多いほど浸水20〜120分の吸水率が低いと報告し、同じチームの別の論文ではアミロースが多いほど酵素で分解されにくいとしています。どちらも酒・焼酎の醸造の研究です。
使い方のコツ
麹づくりでは、洗って浸水し、水を切ってから蒸します。LifebyMikeG(YouTube)は一晩浸して50分(25分で上下を返す)、Eddie Shepherd は水が澄むまで洗い、1時間浸して30分蒸します。どちらも30〜35℃ほどに冷ましてから種麹を振ります。LifebyMikeG は、炊飯器や鍋でも作れるが粒がほぐれにくいと話します。
手入れ・注意
米は生鮮品に近く、精米から時間が経つほど風味が落ちます。密閉して冷暗所、夏場は冷蔵が安全です。
出典
- 論文・英語 Oguro Y, Nakamura A, Kurahashi A(八海醸造)(2019) Effect of temperature on saccharification and oligosaccharide production efficiency in koji amazake
- 論文・英語 Lee LJ, Sato Y, Joyo M, Takahashi K, Okuda M(National Research Institute of Brewing・広島大学)(2026) Starch Biosynthesis-Related Genotype of Rice (Wx and Alk): Indicator of Suitability for Sake and Shochu Brewing Correlated with Water Absorption Ratio
- 論文・英語 Lee LJ, Sato Y, Joyo M, Takahashi K, Okuda M(National Research Institute of Brewing・広島大学)(2026) Rice Genotype Related to Starch Biosynthesis: Effects on Rice Starch Structure and Enzymatic Digestibility during Shochu and Sake Production
- 動画・英語 LifebyMikeG How to Make Rice Koji at Home (Plus Miso Making)
- 動画・英語 Eddie Shepherd How to make Koji rice at home
解説動画: ずっと作り続けている米麹の作り方をご紹介します!米麹レシピ!米こうじの作り方!アメリカ暮らし!海外生活!海外で日本食を作る!/Pukuの家【アメリカ暮らし】
米はふつうの白米で: 家庭での米麹づくりを通して、米の扱いを一部始終見せる動画です。使う米は安いもので構わず、基本的にどの米でも大丈夫という立場で、今回は1kgを量ります。道具も大きめの鍋と蒸し器、ボウル、さらし、段ボール箱と家にあるもので足り、種の麹菌は小さじ1/4ほどしか使いません。作り手はこのやり方で10年近く作り続けているといいます。
洗って浸けて、蒸す: 米はご飯を炊くときと同じ感覚で洗い、1時間ほど浸ける。ざるで水を切って30分おき、沸騰した蒸し器に布ごと入れて、合わせて30分蒸します。ただし入れっぱなしにすると蒸しムラができるので、10分たつごとに外側の米と内側の米を入れ替えるように混ぜてから、また蒸すのを繰り返します。
蒸し上がりの見分け方: 1回目は周りが透明でも内側は生、2回目もまだ芯が残る、と途中経過を実際に見せていきます。仕上がりの目安は、粒を指で潰すと餅のように潰れること。炊いた白米と違ってぱらぱらなのに中まで火が通っている状態で、ご飯を炊いているのではないと、何度か念を押します。この状態をひねり餅と呼ぶのだと教えてくれます。
冷ましてから種を振る: 蒸し上がった米は大きなボウルに広げ、40℃くらいまで冷まします。熱いまま種を混ぜると菌がやられ、失敗の原因になるためです。しっかり手を洗ってから、種は一度にばさっと入れず、一か所に固まらないよう少しずつ振りかけ、すり込むように混ぜていきます。ここまでが米の仕事で、あとは麹菌(コウジカビ)が育つのを待つだけです。