豆腐よう
納豆・大豆
豆腐ようは、島豆腐を紅麹と泡盛に漬け込み、数ヶ月かけて発酵・熟成させた沖縄の珍味です。
どんな発酵?
島豆腐を紅麹と泡盛に漬け込んで熟成させた、沖縄の伝統の珍味です。琉球王朝期の18世紀ごろ、中国の紅腐乳を琉球王府のお料理座が改良して作られたとされます(安田 2013)。紅麹菌の酵素が大豆のたんぱく質を分解しますが、泡盛のアルコールが酵素の働きを抑えるため、分解は一部にとどまります(安田 2010)。遊離グルタミン酸とアスパラギン酸の量が、味のよさと大きく関係していたとされます(安田 2010)。
材料
島豆腐(水分の少ない硬い豆腐)、紅麹、米麹、泡盛、塩。主な微生物は紅麹菌と麹菌(Aspergillus oryzae)です(安田 2013)。紅麹菌の株にはシトリニン(肝臓への毒性が問題になる物質)を作るものがあり、製品では除くことが課題です(Chen ら 2026)。漬け込みに酒を使いますが、購入した泡盛を使うぶんには問題ありません—— 自分で酒を造る工程は酒税法違反です(→自分で飲むぶんなら、家で酒を作ってもいい)。
仕込み方
豆腐を切って数日陰干しして表面を乾かし、紅麹・米麹・泡盛・塩を合わせた漬け汁に沈めます。1980年の琉球大学の研究では、紅麹だけで作った豆腐ようの漬け汁を12週間追い、窒素やアミノ態窒素、還元糖が漬け込みの初期に大きく増え、12週目には減ったと報告されています(宮里ら 1980)。常温で数か月置くのが目安です。豆腐が完全に漬け汁に浸かっていることを確認する—— 出ているところからカビます。
見極めと失敗
豆腐が漬け汁から出ていないかを、定期的に確認してください。赤い色は紅麹菌によるもので、緑・青・黒やふわふわした白いカビが出たら廃棄します。異臭やぬめりがあれば食べないでください。沖縄県工業技術センターは令和4年度、豆腐よう製造でのセレウス菌の制御を研究課題にしています。セレウス菌の嘔吐毒(セレウリド)は加熱しても壊れないため、焼いても安全にはなりません(東京顕微鏡院)。体調が崩れたら医療機関に相談してください。
出典
- 論文・英語 安田正昭(2013) A traditional fermented food, tofuyo, in Okinawa: its history, and food chemical and physiologically functional properties
- 論文・英語 安田正昭(2010) Scientific Aspects of the Fermented Soybean Food, Tofuyo
- 論文 宮里興信・安田正昭・上地玄作(琉球大学農学部)(1980) 沖縄における豆腐ようの製造に関する研究:第3報 紅麹菌を用いた豆腐よう熟成過程における一般成分の変化について
- 資料 一般財団法人 東京顕微鏡院 加熱しても死なない食中毒菌 1.セレウス菌による食中毒
- 公的機関 沖縄県工業技術センター(2022) 沖縄県工業技術センター 研究報告 令和4年度(第25号)
- 論文・英語 Chen X ほか(2026) Research Progress, Safety Regulation and Application Prospects in Health Food Development of Red Yeast Rice-Derived Bioactive Compounds: A Critical Narrative Review
解説動画: 豆腐ようレシピ【つまみ】/料理人ばん飯レシピ集
豆腐の水を抜ききる: 700Wの電子レンジに1分かけてから、さらし・ふきんで包んでバットに載せ、空のペットボトルを重しにして冷蔵庫で一晩置きます。それでも水分は抜けきっていなかったので、紙で巻き直し、替えながらさらに半日ほど水を抜いています。布と紙を合わせて三枚使ったと話しています。
漬け床に沈めて閉じる: 漬け床は塩を合わせたところへ泡盛を注ぎ、軽く混ぜて作ります。泡盛は大さじ3杯。そこへ水を抜いた豆腐を沈めたら、保存袋(ジッパー袋)に移して口を閉じ、2ヶ月の予定で冷蔵庫へ。豆腐が漬け床に浸かったまま、袋ごと寝かせるやり方で、途中で様子を見ながら待ちます。
55日目に開ける: 予定していた二ヶ月より少し手前、55日で袋を開けています。豆腐は仕込んだときより小さくなり、ぼろぼろとした感じに変わっていました。もう少し置いてもよかったかもしれないと言いながら、ここで食べることにしています。途中で少しずつ試食して、味の変化を楽しむ人もいるそうです。
途中で見る危ないサイン: 様子を見たときの注意として、緑色になっている、カビが生えているように見えるときは食べるのをやめたほうがいい、と話しています(→カビ(青・黒・赤・緑))。雑菌が入らないよう、清潔な道具で扱うことも、あわせて言い添えていました。これは、仕込みの途中で様子を見た人が気づいた注意事項として紹介されています。