テンペ
納豆・大豆
テンペは、クモノスカビ(Rhizopus)の菌糸が大豆を板状に固める、糸を引かないインドネシアの大豆発酵食品です。
どんな発酵?
インドネシアの大豆発酵食品で、クモノスカビ(Rhizopus)の菌糸が大豆を板状に固めたものです。納豆のような糸は引かず、ナッツやきのこのような香りがします(The Kampung Vegan)。切って油で焼けるのが納豆との大きな違いです。菌の種類を変えて作った日本の研究(日本調理科学会、2005年の要旨)では、発酵でビタミンB2・B6とイソフラボン(アグリコン)が増えたと報告されています。
材料
大豆(一晩水に浸けたもの)、テンペ菌(種菌)、酢。大豆500グラムなら、テンペ菌は山盛り小さじ1ほど(The Kampung Vegan)。皮は菌が通りにくいので、手でこすって皮をむき、水に浮いた皮を流し取ります。酢は雑菌を抑えるため、冷ました豆に混ぜます。種菌は豆の表面全体に行き渡るまで混ぜ、塩は菌の育ちを邪魔するので入れません(Sandor Katz)。
仕込み方
一晩浸けた大豆は、形が残る程度に茹でます。煮すぎると豆が崩れ、菌の入るすき間が無くなります。表面の水気を飛ばし、体温より低くなるまで冷まします。余分な水気は雑菌を育てるので(Sandor Katz)、酢を混ぜてテンペ菌を豆全体にまぶします。つまようじで2.5センチほどの間隔に穴を開けた袋に平らに詰め、27〜32℃で24〜48時間。全体が白い菌糸で覆われて板状に固まったら完成です。
見極めと失敗
白い菌糸と、黒や灰色の点は正常です。黒い点は胞子が出来た印で、Sandor Katz は「まったく害がない」と話し、The Kampung Vegan も灰色や黒の点は問題ないと説明します。緑や赤、ピンクのカビが出たら捨てます。嫌なにおいがしたら捨てます。少しアンモニアのにおいがするのは普通だと、The Kampung Vegan は話します。冷蔵でも発酵は少しずつ続くので、長く置くなら冷凍にします(数ヶ月もつ)。
出典
- 論文 Shintaku ほか(日本調理科学会)(2005) 菌種を変えたテンペの調理性と機能性について
- 動画・英語 Bon Appétit Brad Builds A Fermentation Chamber & Makes Tempeh (ft. Sandor Katz) | It's Alive | Bon Appétit
- 動画・英語 The Kampung Vegan How to Make Tempeh at Home from SCRATCH! | Vegan Protein
解説動画: いろいろなお豆で作るテンペ&照り焼きテンペバーガーの作り方/Tokyo Veg Life
浸水は酢を入れて: 乾燥豆を24時間以上、皮がつるっとむけるようになるまで水に浸けます。このとき水1Lに酢を50mlほど加えます。浸けたあと、皮をむいていきます。クモノスカビ(テンペ菌)は皮をきちんと取るほどよく付くため、豆の形が残った、見た目も食感もよいテンペになると説明しています。
固めに炊いて冷ます: 皮がむけたら、たっぷりの水と酢を入れて30〜40分、指で潰れにくいくらい固めに炊きます。炊けたらざるに上げ、水気をしっかり切る。種菌が豆に均等に行き渡るよう、片栗粉などのでん粉でかさ増しします。乾燥豆100gに種菌1g、でん粉9gほどが目安だそうです。
保温は25〜35度: 豆が40度ほど、手で触れるくらいまで冷めたら、でん粉と混ぜた種菌を加え、一粒ずつ包むようにしっかり混ぜ合わせます。容器に入れて蓋を上からかぶせ、家の温かい場所か発酵器へ。25〜35度に保つのが要点で、発酵器が無ければヨーグルトメーカー・発酵器を保温器にして箱に入れる手もあると言います。
白い菌糸で包まれる: 24時間ほど発酵させ、全体が白い綿のような菌糸で包まれたら完成です。使い切るサイズの容器で作れば、そのまま冷凍保存できて便利だと言います。テンペは大豆でしかできないと思われがちだけれど、いろいろな豆で作れるとも紹介していて、実際に何種類か挙げています。
皮の固い豆はどうか: 小豆のように皮が固く厚い豆は、皮をむかずに少し柔らかめに炊いて、フォークなどで粗く潰してから、大豆と同じように仕込みます。豆が潰れて皮も残るぶん、見た目と食感は皮をむいた大豆に劣りますが、皮をむく手間はありません。豆ごとに風味が違うので、料理に合わせて選べます。