重石と、空気の遮断

容器と衛生

重石と、空気の遮断は、材料を液に沈めて酸素を断てばカビを防げるという仕組みで、重石はそのために載せます。

なぜ効くか

カビは酸素が無いと増えられません。だから材料が液に沈んでいれば、それだけでカビは防げます。重石は「押さえるため」ではなく「空気を断つため」に載せる—— そう考えると、必要な重さの見当がつきます。バージニア工科大学の解説は、沈めることで酸素の無い状態が保たれ、乳酸菌などの発酵する菌に有利になると説明しています。

目安

漬物の重石は、材料の重量と同じ〜2倍から始め、水が上がったら軽くする。重石と材料のあいだには押し蓋を挟んで、重さを面に広げる。液が少ない仕込み(味噌)は、表面にラップを密着させて空気を抜く。保存袋なら、水圧で空気を押し出してから封をする。イリノイ大学のExtensionは、野菜を塩水の下2.5〜5cmに沈め、セラミックや強化ガラスの重石か、塩水を入れた食品用の袋を使うとしています。布や蓋で口を覆うと、虫とカビも防げます。

外れたときの症状

液面から出た部分は、ほぼ必ずカビます(→水が上がらない)。重石が重すぎると食感が損なわれ、水が出すぎて濃度が下がります(→水が上がりすぎた)。水が上がったら軽くするのが、両方を避ける手順です。発酵教育チャンネルClean Food Livingの実験では、仕込むときに瓶の空気をポンプで抜くふたはカビも産膜酵母もほぼ出ず、抜かないふたの一つは繰り返すたびにカビが目立って出たと報告しています。

出典

  1. 公的機関・英語 National Center for Home Food Preservation, University of Georgia Suitable Containers, Covers, and Weights for Fermenting Food
  2. 公的機関・英語 University of Illinois Extension Fermenting Equipment
  3. 公的機関・英語 Eifert JA, Boyer RR, Williams RC, Virginia Tech Cooperative Extension(2025) Vegetable Fermentation
  4. 動画・英語 Clean Food Living BEST FERMENTATION LIDS (and worst) Tested with Results!

解説動画: 自家製味噌作り/みきママ/みきママChannel

味噌玉にして詰める: 潰した大豆に麹と塩を合わせ、煮汁を加えながら混ぜて硬さを調整したら、野球ボールほどの大きさに丸めていきます。硬さはギュッと固めに。容器は専用の樽でなくてもよく、家にあるバケツで代用できるように考えたと言います。内側にポリ袋を敷いておけば、どんな容器でも雑菌を気にせず仕込めるという段取りです。

空気を残さず詰める: 丸めた味噌玉は、容器に打ち付けるようにして詰めていきます。味噌の中に空気が残るとカビが生えてしまうためで、投げつけながら空気を抜いていくのが要点です。全部詰め終えたら、上からぴったりとラップをして空気が入らないようにする。隙間があるほどカビが生えやすくなる、と繰り返し言います。

重石は塩の袋にする: ラップの上には重石を載せます。使うのはちょうど1キロある塩で、これを二重にしたビニール袋へ入れ、重石代わりにするという工夫です(→重石)。袋に穴が開いても、中身が塩なら雑菌が入る心配がないのが利点だと言います。載せたあとは空気が入らないよう袋の口を縛り、そのうえで容器の蓋を閉めます。

夏に一度、開ける: 仕込んだあとは温度変化に弱いので日陰の涼しい場所へ置きます。そして夏に一度だけ開けて味見をし、様子を見る——塩が足りなかったり置き場所が暑かったりすると傷むため、その確認を夏に置いていると説明します。開けた味噌にカビは無く、空気に触れていた表面だけをスプーンで薄くそぎ落としました。

混ぜて、また閉じる: 取り出したついでに手を入れてかき混ぜると発酵が進み、味がよくなると述べます(→味噌の表面のカビ)。そのあとは仕込んだときと同じ手順の繰り返しで、塩の袋を載せ、空気が入らない状態にしてから袋の口を縛り直し、また涼しい場所へ戻します。さらに1か月ほど、仕込みからは10か月で食べ頃になりました。