温度

温度

どの菌に働いてもらうかを、温度で決める

なぜ効くか

菌にはそれぞれ得意な温度帯があります。温度を選ぶということは、そこで元気に働く菌を選ぶということです。仕込みの温度管理とは、狙った菌に有利な環境を作り、他の菌に不利な環境を作る作業にほかなりません。

目安

麹菌は35℃前後、乳酸菌は20〜40℃、酵母は25〜30℃、納豆菌は40℃前後、酢酸菌は25〜30℃。麹の酵素が最もよく働くのは50〜60℃で、甘酒はこの帯を使います。酵素は60℃を超えると失活し、多くの菌は60℃以上で死にます。

外れたときの症状

高すぎると、狙った菌が死ぬか、酵素が壊れます—— 甘酒が甘くならない、麹が育たない、といった形で現れます。低すぎると発酵が進まず、その間に別の菌(腐敗菌)に先を越されます。温度が合わないときの症状は「何も起きない」か「別のものになる」のどちらかです。

解説動画: パンのベンチタイムは時間より温度と生地の状態で決める/パン作り研究家 ナオキパン

レシピの「室温」は何度か: レシピに「室温で20分休ませる」と書かれているときの室温は25〜27℃が暗黙の前提だと説明している。この温度が保たれていれば、時間通りに休ませるだけでもおおむね失敗しない。ベンチタイムも発酵工程の一つなので、冬場など部屋が寒いと生地の温度も下がり、発酵が遅れて指定の時間では足りなくなる。寒い時期は室温ではなく暖かい場所に置くよう勧めている。

見極めのコツ: 温度が変われば緩むまでの時間も変わるので、目的は生地を休ませることではなく緩ませることだとしている。時間通りに置いても緩んでいなければ意味がない。丸めた直後に指で触って弾力と肌触りを覚えておき、大きさが1.5倍ほどに膨らんだか、表面が丸めた直後よりさらっとしてきたか、弾力が落ち着いて持つとふわっと軽いかで判断する。発酵が進むと生地の表面がさらっとしてくるのは、どの発酵にも共通する変化だという。

やりがちなミス: 5分しか休ませていない生地を実際に成形して見せている。弾力が強すぎて生地が伸びず、無理に伸ばそうとすると縮む。あんパンのように具を包むものだと包める量が大幅に減り、発酵中や焼成中に綴じ目が開いて中身が噴き出すことにもなる。逆に10分20分延ばしても、よほど暑い部屋でなければ発酵過多にはなりにくいので、足りないと思ったら思い切って延長するよう勧めている。