追い塩・呼び塩

塩分

追い塩・呼び塩は、水で薄まった塩分を元に戻す追い塩と、塩辛さを薄い塩水で抜く呼び塩の2つです。

なぜ効くか

野菜を漬けるたびに、糠床の塩分濃度は下がっていきます。漬物メーカーの研究所と九州大学のチームが糠床を40日管理した2024年の研究では、作りたてで約6%だった塩分が、漬けるたびに下がりました。「追い塩」は、その濃度を保つために足す塩です。逆に「呼び塩」は、塩辛くなった塩漬けのものを、真水ではなく低濃度の食塩水で抜く方法です。

目安

2015年の別の研究(Ono ら)では、糠床に塩を3回足して塩分を4〜5%に保ちました。米糠1200g・水1650g・塩150gで仕込み、24℃で60日、2日おきにナスとキュウリを漬けた実験です。漬物の汁が足りないときは、沸かして冷ました塩水(水1クォートに塩大さじ1.5)を足すと、Virginia Tech の Extension は案内しています。

外れたときの症状

塩が少ないと、カビなどの汚染菌が育って食感が軟らかくなったり、風味が悪くなったりします。塩が多いと、塩に強い発酵の菌だけが育ち、発酵の進みが遅くなります。塩漬けの数の子を水と食塩水で塩抜きして比べた研究(春日ら、2007)では、数の子に残る遊離アミノ酸は、水で15時間抜くと3%食塩水で抜いたときの2倍あり、その7割は苦いといわれる疎水性のアミノ酸でした。

出典

  1. 論文・英語 Sugiura S, Ikeda M, Nakamura Y, Mishima R, Morishita M, Nakayama J(2024) Impact of vegetables on the microbiota of the rice bran pickling bed Nukadoko
  2. 論文・英語 Ono H, Nishio S, Tsurii J, Kawamoto T, Sonomoto K, Nakayama J(2015) Effects of Japanese pepper and red pepper on the microbial community during nukadoko fermentation
  3. 公的機関・英語 Eifert JA, Boyer RR, Williams RC, Virginia Tech Cooperative Extension(2025) Vegetable Fermentation
  4. 論文 春日敦子, 荻原英子, 青柳康夫(2007) 数の子の塩抜き過程における味成分の挙動