塩

基本調味料

塩は、塩味そのものより、他の味を引き立てる働きのほうが大きい調味料です。

どんな味?

成分表(八訂増補2023)では、100gあたりの食塩相当量は精製塩(家庭用)が99.6g、並塩が97.3g。マグネシウムは精製塩87mg・並塩73mgで、精製塩のほうが多い値です。カリウムとカルシウムは並塩のほうが多くなっています。塩事業センターの精製塩の商品情報は、固まり防止に塩基性炭酸マグネシウムを基準0.3%で含み、塩化ナトリウムは99.5%以上と書いています。

使い方

細かい塩のほうが早く強く塩辛く感じます。江南大学(中国)のチームは官能評価で、300μm未満の塩は400μm以上の塩より塩味が強く、粗い塩は感じ始めが遅いと報告しました。Tom's Kitchen(YouTube)は、薄いフレーク状の塩は粒がそろって厚い塩より塩気が弱く、銘柄で塩辛さが違うので、味を見ながら少しずつ足すよう勧めます。

合わせ方

仕上げに振る塩は塩辛く感じやすいかもしれません。フランスのINRAE・CNRSなどのチームは、口の中の咀嚼を再現する装置でにんじんを調べ、火を通したあとにフルール・ド・セルなどをふると、表面に偏った塩が短く強いナトリウムの放出を生み、加熱中に加えるより塩辛く感じる理由かもしれないと考察しています。また、この装置では油があるとナトリウムとグルタミン酸の放出が増えました。

保存

塩を販売する公益財団法人の塩事業センターは、質問集で湿気が多く温度が変わりやすい、コンロのそばや流しの下を避けるよう案内しています。濡れた手で触らない、洗剤の近くに置かない(匂いが移る)とも。固まり防止には、日本では炭酸マグネシウムを使うのが一般的とのことです。塩は長く置いても固まる以外の品質劣化がなく、賞味期限の表示は法的な義務ではないそうです。

出典

  1. 論文・英語 Du P ほか(江南大学)(2026) Perceptual patterns and mechanistic pathways of saltiness perception as a function of varying salt particle size
  2. 論文・英語 Monod R ほか(INRAE・CNRS ほか)(2025) In Vitro Monitoring of Taste Compound Release During Chewing According to Process-Related Parameters of the Food
  3. 公的機関 文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 精製塩(家庭用)
  4. 公的機関 文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 並塩
  5. 資料 公益財団法人塩事業センター(塩の販売元) 精製塩1kg 商品情報
  6. 資料 公益財団法人塩事業センター(塩の販売元) よくいただくご質問
  7. 動画・英語 Tom's Kitchen What's The Best Salt To Cook With | A Guide To Salt and How Chefs Use It

解説動画: 塩は裏面の「工程」欄で選ぶ、精製塩と天然塩の違い/あこの栄養学チャンネル【女性のための栄養学】

見るのは裏面の「工程」欄: 塩選びの基準を1つに絞っていて、それがパッケージ裏の「工程」欄。ここに書かれた作り方で塩は精製塩・再製塩・天然塩の3つに分かれ、含まれるミネラルの量も値段もそこで決まる、という組み立てになっている。

3つの製法と塩分相当量: 工程にイオン交換膜や立釜とあるのが精製塩で、短時間に大量に作れるぶん安いが、ナトリウム以外のミネラルは取り除かれ、塩分相当量は100gあたり99g前後になる。溶解・平釜と書かれた再製塩は91〜93g、平釜・天日の天然塩は85〜90gまで下がる。ミネラルの内訳までは表示されないが、この数字が低いほどナトリウム以外が残っていると見当がつく、という見方をしている。

使い分け: 茹で汁を捨てる用途には値段の手頃な再製塩を勧めている。パスタや野菜の茹で湯に高い塩をたくさん入れるのはためらわれるため。食べるための塩には天然塩を常に置き、産地違いを何本か回して使っているという。塩から取れるミネラルはマグネシウム・カルシウム・カリウムが中心だとしている。

岩塩と、原材料の見方: 岩塩も天然塩の一種としつつ、ミネラルの量は海水から作った塩のほうが多いことがほとんどと話す。ピンクの岩塩は海水にない鉄や銅を含むが、ひとつまみ振る量では鉄の補給にはならないと断っている。原材料は「海水」とだけ書かれたものを選び、炭酸マグネシウムは湿気で固まるのを防ぐためで、体のために入っているのではないとしている。