タラの芽
食べられる野草
タラの芽は、山菜の王様と呼ばれ、採り方に作法がある野草。
見分け方
日当たりのよい林縁や伐採跡に立つタラノキの新芽です。幹にも葉軸にも葉の付け根にも鋭いトゲが並ぶのが目印で、あきた森づくり活動サポートセンターは野ネズミなどに食べられないための武装と説明しています。四月から五月、枝先の芽が手のひらのようにほどける直前が食べごろで、天ぷらにすると独特の甘みと香りが出ます。荒れ地や崩れた斜面にいち早く根を張る、パイオニア植物でもあります。
危険・注意
新芽の姿はウルシの仲間の若芽とよく似ています。トゲのない滑らかな枝から出て、全体に赤みの強い芽はヤマウルシやヌルデの疑いがあり、採ろうとして触れるだけでかぶれます。環境省が整備する鹿沢インフォメーションセンターも、間違えてヤマウルシの芽を口にすると、口の中がかゆくなり大変なことになると注意を呼びかけています。摘む前に必ず枝のトゲの有無を確かめてください。
出会ったら
枝先の一番芽だけを採り、その下の二番芽から先は必ず残します。全部摘み取ると木そのものが枯れてしまいます。山林にはたいてい所有者がいて、無断で採れば窃盗になります。長野県林業総合センターの調査では、機械で地拵えした再造林地なら、植栽木の生育を妨げない場所で持続的に採り続けられると報告されています。許可を得た場所や山菜園で楽しむのが確実です。
出典
- 資料 あきた森づくり活動サポートセンター 樹木シリーズ98 タラノキ
- 資料 鹿沢インフォメーションセンター(環境省 整備)(2018) タラノキとヤマウルシ
- 論文 大矢信次郎ほか(長野県林業総合センター、日本森林学会大会発表データベース)(2021) 機械地拵えを行った再造林地におけるタラノキの発生量と利用可能性
解説動画: 初心者向けタラの芽採り 服装・採り方・ウルシとの違い/田舎で遊ぼう おいちゃんねる
服装と道具: ぬかるむ場所もあるので長靴を履き、靴にゴミが入らないようスパッツを巻いておく。タラノキの幹には鋭いトゲがあり、普通の軍手では貫通して刺さるため、厚手の手袋を用意する。さらに高い位置の芽を採るために、先を枝に引っ掛けて手前へ倒せる棒を持っていくとよい。木を傷つけないよう、引っ掛ける場所には気を配りながら使っている。
生え方と採りごろ: タラノキは根で増えるので、1本見つけるとその周りに群生していることが多い。採りごろは桜が満開になるころで、もちろん地域や標高によって前後する。芽は緑のものだけでなく赤みを帯びたものもある。大きくなりすぎた芽は採らずにそのまま育てればよいとしている。
芽の外し方: 採るときは芽の付け根、芽と枝の境目のあたりを持つ。上へ引っ張らず、右へ左へとねじると半分ずつ外れ、最後にきれいに取れる。この取り方なら木へのダメージも少なく、そこからもう一つ芽が出て木もちゃんと成長すると説明している。
採りすぎない: 一度採ったあとも二番芽、三番芽が出るというが、木を枯らさないために自分は1回しか採らない方針だと話している。次に採りに来る人のぶんもあるので全部は採り切らず、多少残しておくのがよい。来年も楽しむために、採るのは自分が食べられる分だけにする。実際に現場では丸ごと切られて枯れてしまった木も見つかっており、資源として考える必要があると語っている。
ウルシとの違いと下ごしらえ: タラの芽と同じ時期に出るウルシを現場で並べて比べ、枝が赤っぽく、木の雰囲気そのものが違うと示している。かぶれるので触らないのが一番で、触ってしまったらまずきれいに洗い、原因物質を洗い落としてからステロイド系の塗り薬を使う。ひどい場合は病院へ行く。持ち帰ったタラの芽は軽く洗い、包丁で根元のはかまの部分を切り落とす。アブラムシなどの虫が付いていることがあるので確認し、天ぷらやおひたしにする。