フキノトウ

食べられる野草

フキノトウは、雪どけを知らせるほろ苦い花芽。

見分け方

雪が消えたばかりの二月から四月、川沿いや林道の斜面に顔を出すフキの花芽です。うろこ状の苞に包まれた丸いつぼみで、苞には白い綿毛が生えています。割ると小さな花がぎっしり詰まっており、ちぎると青くさく爽やかな香りが立ちます。農林水産省の調査では、葉柄のフキよりピロリジジンアルカロイド類という自然毒の濃度が高い部位です。

危険・注意

同じ時期に同じ斜面へ出るハシリドコロの芽は、古くからフキノトウと間違えた中毒事故が起きています。東京都健康安全研究センターによると、フキノトウの苞には白い綿毛が密生してつぼみが詰まり、ハシリドコロの芽は毛がほとんど無く葉が重なっています。厚生労働省は、一〜二時間で発症し、嘔吐やけいれん、昏睡が出て、ゆでても炒めても天ぷらでも毒は分解されないと説明しています。

出会ったら

茹でこぼすか水にさらしてあくを抜いてから食べます。農林水産省は、しっかりあく抜きをすれば大量に食べたり食べ続けたりしない限り悪影響の懸念はないとし、日本ではこれが原因と疑われる健康被害の報告は無いとしています。昭和薬科大学のチームは、ラットの実験をもとにした試算で、毎日食べ続けると肝臓に毒性のあるアルカロイドが血中に残りうると報告しています。斜面は足元が崩れやすいので、沢へは一人で降りないでください。

出典

  1. 公的機関 東京都健康安全研究センター フキノトウとハシリドコロ
  2. 公的機関 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ハシリドコロ
  3. 公的機関 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ハシリドコロ 概要版
  4. 公的機関 農林水産省(2026) 食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報
  5. 論文・英語 Kamiya Y ほか(昭和薬科大学)(2022) Plasma Concentration Profiles for Hepatotoxic Pyrrolizidine Alkaloid Senkirkine in Humans Extrapolated from Rat Data Sets Using a Simplified Physiologically Based Pharmacokinetic Model
  6. 論文・英語 Yanagi M ほか(昭和薬科大学)(2021) Metabolic profiles for the pyrrolizidine alkaloid neopetasitenine and its metabolite petasitenine in humans extrapolated from rat in vivo and in vitro data sets using a simplified physiologically based pharmacokinetic model

解説動画: フキノトウをつぼみのうちに採る理由と、オス・メスの見分け方/しまきちsky TV

概要: 三月上旬、雪解けの進んだ日当たりのよい斜面に入り、例年よりずいぶん早く顔を出したフキノトウを採りながら、あまり知られていない話を五つ紹介している。その日は気温が十度ほどまで上がり、斜面の下まで一面に出ていて、すでに開ききった株のほうが多いほどだった。採るのは主につぼみの状態のもので、汚れた苞は現地でむいてから持ち帰る。

雪解けの斜面で採る: 雪のない場所に出たものより、雪が溶けてちょうど顔を出したフキノトウのほうが香りと苦みが強いと話しており、生理現象だろうと見ている。斜面にはつぼみの上だけをきれいにかじられた株が点在し、ウサギを二匹見かけたほかイノシシの足跡も残っていた。採取中にナイフで手を切る場面もあり、刃物の扱いには注意がいる。

オスとメスの見分け: フキノトウにはオスとメスがあることは知られていても、その違いまでは意外に知られていないという。開いたものなら目で見て確かめられる。メスは中のつぼみが横へ開いていくのに対し、オスはつぼみがぴょんと立つ。完全に開いた株を見て模様が違うと感じたことがあれば、それがオスとメスの差だと説明している。つぼみのうちはまだ見分けにくい。

開くほど毒性成分が増す: フキノトウにはピロリジジンアルカロイドという毒性成分が含まれており、老けて開くほど、また採ってから一週間などと長く置くほど増していくとしている。だからこそつぼみで採ったほうが進み具合が遅く、開いた株ではなくつぼみを選んで採ることを勧めている。開いたものも香りはよいが、たくさん食べるのは避けたいという。

花のあとは薬草、株は防腐と虫よけに: 花が咲いてしまうと食用にはされず放置されがちだが、乾燥させて煎じると咳止めや去痰に効くとして昔から薬草に使われてきたという。去痰とは痰の粘りを和らげる働きのことである。また防腐効果と虫よけ効果があるとされ、昔の人は家を建てたときに周りへフキノトウを植えたという説も紹介している。よその家の庭に群生しているのはその名残ではないかと話している。