スイセン

有毒植物

スイセンは、ニラやノビルと間違えられる花壇の毒草。

見分け方

庭や花壇に植えられ、早春に黄・白・橙の花を咲かせます。英語の解説(The Eagle's Nest)では、日当たりのよい場所を好み、手間がかからず、乾燥や鹿に食べられにくいとされます。香りがよく、切り花にもなり、鉢植えでもよく育ちます。花は6枚の花びらに囲まれた中央にラッパ状の部分があり、葉は長く平たいのが特徴です。地下の球根はタマネギに似ています。

危険・注意

全草にリコリンという毒があり、いちばん多く含むのは球根です。農林水産省は、スイセンの葉をニラやネギ、球根をニンニクと間違えた食中毒を挙げています。2020年の症例報告(Ageta K らの論文)では、家族3人が球根をタマネギと誤認してカレーに入れ、食後30〜60分で吐き気や腹痛、嘔吐が出ました。輸液と制吐薬で、症状は数時間のうちに治まっています。

出会ったら

球根はタマネギに似ていても、タマネギ特有の刺激臭がなく、目にしみないと、米国の首都圏中毒センター(NCPC)は説明しています。農林水産省も「知らない野草、山菜は採らない、食べない」と呼びかけています。食べてしまったら、口をよくすすぎ、水か牛乳を飲みます。喉が痛む、飲み込みにくいときは医師に診てもらい、症状が続くなら脱水に注意してください。

出典

  1. 公的機関 農林水産省(2022) 知らない野草、山菜は採らない、食べない!
  2. 論文・英語 Ageta K(Acute Medicine & Surgery)(2020) A family intoxicated by daffodil bulbs mistaken for onions.
  3. 資料・英語 National Capital Poison Center Daffodils: Beautiful but Potentially Toxic
  4. 動画・英語 The Eagle's Nest - Our Online Classroom Flower Field Guides: #15 Daffodils

解説動画: 花のないスイセンとニラを見分けられるか、決め手は匂い/長野朝日放送

概要: 毎年春から夏にかけて多発する有毒植物の食中毒を受け、ニラとスイセンの葉を並べて見分けがつくかを問うニュースである。花が咲いていればまず間違えることはないが、隣に置かれた花のついていない株はニラと非常によく似た姿で、この状態がいちばん間違えやすいと専門家が指摘している。

十年で二百件、その三割: 去年までの十年間に全国で起きた有毒植物による食中毒は二百件あり、そのうちおよそ三割がスイセンによるものである。ニラと間違えて食べてしまう例が繰り返されており、長野県内でも二年続けて食中毒が発生し、患者には吐き気や嘔吐などの症状が出た。場合によっては昏睡状態になり、亡くなったケースもあると伝えている。

葉の形は決め手にならない: 見た目の違いとしてはニラの葉は平たく、スイセンはく字型に真ん中がくぼんでいると言われる。ただし専門家は株の状態によっても様々で、外観から区別するのはかなり難しいと話しており、葉の形だけを頼りにするのは危うい。実際に並べられた二枚も、言われなければ区別できないほど似ている。

匂いで確かめ、分からないものは口にしない: いちばん大事なのは匂いで区別することで、ニラには特有の匂いがあるのに対しスイセンはほぼ無臭である。スイセンと紛らわしいノビルもツンとした匂いがするので、食べる前に一度嗅ぐことが重要になる。保健所は身近な園芸植物にも有毒成分を含むものがあるとして、よく分からないものは採らない、食べない、売らない、人にあげないよう呼びかけている。