バイケイソウ
有毒植物
バイケイソウは、山菜と取り違えると命に関わる毒草。
見分け方
山地から亜高山の草地や湿った林に群生し、大人の腰から胸ほどまで伸びます。目印は付け根から平行に走る葉脈が深いしわになった大きな葉で、長い葉柄をもたず、茎を巻くように重なって出ます。春先の芽出しはオオバギボウシ(ウルイ)やギョウジャニンニクによく似ています。初夏には緑白色で臭気のある花を咲かせます。大量に群生するため、採ってきた山菜を近所や知人に分けた先で誤って食べられる例もあります。
危険・注意
全草、特に根にプロトベラトリンなどの強い毒があり、食後三十分から一時間で嘔吐、口や手足のしびれ、血圧低下、脈の乱れが起こります。重症では意識を失い、国内では死亡例も報告されています。若い芽ほど山菜と見分けにくく、山菜の群落に一株だけ混ざることもあります。毒成分は加熱しても分解されません。スイスでは野外活動中の子ども11人がハーブティーを誤って口にし、消化器症状や不整脈を起こし、全員10時間以内に回復した例が報告されています。
出会ったら
オオバギボウシは葉が根元から一枚ずつ長い柄で立ち、中央の太い主脈から葉脈が弧を描いて広がります。バイケイソウは長い柄がなく、葉脈がまっすぐ平行でしわが深いのが違いです。ギョウジャニンニクならちぎると強いニンニク臭がして、根元が赤紫色の薄い皮に包まれます。においがなく葉に深いしわがあるものは口にしないでください。食べて症状が出たら歩かせずに横にして救急要請し、同じ料理を食べた人全員の様子を見ます。
出典
- 公的機関 農林水産省(2022) 知らない野草、山菜は採らない、食べない!
- 公的機関 宮城県 仙台保健福祉事務所黒川支所(塩釜保健所黒川支所)食品薬事班 「ウルイ」に似た毒草による食中毒が発生しています!
- 公的機関 埼玉県 保健医療部 食品安全課 自然毒による食中毒
- 論文・英語 Rauber-Lüthy C, Halbsguth U, Kupferschmidt H, König N, Mégevand C, Zihlmann K, Ceschi A(Clinical Toxicology)(2010) Low-dose exposure to Veratrum album in children causes mild effects--a case series
解説動画: 行者ニンニクに混じって生える毒草の見分け方/ぐっち先生
概要:食べられる草と毒草が同じ場所に生えている: 雪が残る川沿いで行者ニンニクを採りながら、同じ場所に生えている毒草を一つずつ指し示していく内容である。食べられるものと食べてはいけないものが一つの画面に収まるほど混ざって生えている状況を見せ、行者ニンニクとニリンソウのすぐ隣にバイケイソウが、少し離れてトリカブトが生えていた。分かっている人と一緒でなければ手を出すべきではないと繰り返している。
バイケイソウ・コバイケイソウの見分け: バイケイソウは行者ニンニクと生える場所が重なる有毒植物で、山菜採りで最も間違えやすい相手として挙げられている。ぱっと見はよく似ているコバイケイソウについては、根元を見ると、行者ニンニクにあるはずの赤い袴がないことを決め手として示している。行者ニンニク側は根元が赤く、ちぎるとニンニクのような強い匂いが立つことが確認の手がかりになる。
スズランも行者ニンニクによく似る: 一見して行者ニンニクに見えたものがスズランだった例も紹介している。根元が赤くない、触ると葉が硬い、嗅いでもニンニク臭が全くしないという三点で区別できる。スズランは強い毒を持ち、北海道の牧場では見つけ次第駆除するほどで、牛が食べるとその牛から搾った牛乳は検査で全て不可になると説明している。
ホウチャクソウとトリカブト: ホウチャクソウはナルコユリやアマドコロに似た有毒植物で、茎の先端に花が2個ずつ下がって付くのが特徴である。ナルコユリが茎に沿って花を並べるのに対し、ホウチャクソウは先端にしか付かない。花が咲くまで見分けのつかない植物もあるため注意が必要だとしている。行者ニンニクのすぐ近くにはトリカブトも生えており、こちらは猛毒である。