石鳥居
鳥居の形
石を刻んで組んだ鳥居です。木造に比べて柱が太く短く、笠木や貫に石材の継ぎ目が出るので、材料の違いがそのまま形へ表れます。
どんな形か
柱も島木も貫も、石を刻んで組み上げた鳥居です。石は曲げに弱いため柱は太く、柱間は狭くなり、笠木も短い材を継いで渡します。柱の根元には亀腹と呼ぶ饅頭形の台を置く例が多く、角は面取りされて丸みを帯びます。明神鳥居を石で写したものと神明鳥居を写したものの両方があり、形式名は材料ではなく上部の組み方で決まります。京都府亀岡市の出雲大神宮石鳥居、愛知県豊川市の菟足神社西参道石鳥居が国指定文化財等データベースに載ります。
見分けの決め手
柱の根元と、笠木の上端という二か所を見ます。根元に亀腹が膨らみ、笠木の途中へ継ぎ目の線が走っていれば石鳥居です。木造の明神鳥居では笠木が一本で通り、根元は礎石か地面へ直に立ちます。石の肌にはのみの跡が浅く残り、雨のあとは濃淡が斑に出ます。大分県日出町の若宮八幡神社境内日出藩主寄進石鳥居のように、柱へ寄進の銘を刻む例も多く、文字を追えば建てられた年がその場で読めます。
取り違えやすい相手
丹塗りの木造鳥居と、鉄筋コンクリート造の鳥居が紛れます。継ぎ目の線と、表面の肌を見ます。コンクリート造は型へ流して作るので継ぎ目が出ず、肌が均一で角も直線になり、傷んでも石のような粒は現れません。木造は笠木が一本で通り、塗りが剥げると木目が出ます。京都府亀岡市の出雲大神宮石鳥居のような古い石造は、苔と地衣類が凹みへ沿って筋状に付きます。近代の再建には台輪鳥居を石で写した例もあります。
どこに立つと見えるか
柱の真横、根元の見える高さへ立ちます。正面からでは亀腹が柱の陰に入り、継ぎ目も笠木の裏へ隠れます。柱一本ぶん横へ寄り、目線を腰の高さまで下げると、台の輪郭と島木の重なりが同時に入ります。参道の脇は玉砂利で足元が動くため、立ち止まる場所を先に決めます。愛知県豊川市の菟足神社西参道石鳥居は参道が細く、玉垣の外側からのほうが全体を収めやすい位置です。大阪市天王寺区の四天王寺石鳥居は広場に面し、離れても継ぎ目が追えます。