カワセミのチー

地鳴きと警戒の声

「チイーッ」は、姿より先に届きます。水面すれすれを飛びながら細く鋭く鳴くので、声を聞いてから川面を目で追えば、近づかないまま気づけます。

聞きなし

日本野鳥の会の解説では「チイーッ」と細く鋭い声と当てられています。高さがほぼ一定のまま、まっすぐ伸びて消える音で、震えも節もありません。一声は一秒に満たず、飛ぶ方向へ声が流れていくため、聞こえた方向より少し先の水面を見ると姿に行き当たります。カワセミはとまっているときは黙っていることが多く、飛び立つ瞬間に一声という出方が目立ちます。

さえずりか地鳴きか

歌を持たない鳥なので、この一声が地鳴きの役目を全部引き受けます。カワセミは節をつけて長く続けるさえずりを持たず、この一声を場面ごとに使い分けます。移動しながらの合図、縄張りに入った相手への牽制、番いの呼び交わしまで、同じ音の長さと繰り返し方を変える形です。求愛でも別の歌になるわけではないので、声の種類ではなく、状況と回数で読む鳥です。

いつ・どこから聞こえるか

一年を通して、公園の池とお堀や川の瀬と中州、用水路の護岸から届きます。水面から人の腰ほどの高さを、岸に沿ってまっすぐ飛ぶときに出るため、声は横へ動いていきます。朝夕に多いものの日中も鳴き、冬は水の凍らない流れに集まります。橋の上から真下をのぞくより、岸から水面全体を見渡すほうが、声から姿へたどり着けます。

似た声との違い

飛びながら高い声を出す点で、ハクセキレイとセグロセキレイが紛れます。ハクセキレイの「チチン、チチン」は二音ずつ区切って波を打つように出て、飛び方も上下に揺れます。セグロセキレイは同じ二音でも濁って強い音です。カワセミは一音を伸ばし、飛ぶ線もまっすぐなので、音の区切りと飛ぶ軌跡を合わせれば分かれます。

この声で何をしているか

自分の位置を示しながら移動する声で、同時に縄張りの主張にもなります。カワセミは秋から冬に川筋を一羽ずつ区切って使い、声を出して飛ぶことで境目を確かめ合います。人が岸に立ったときに鳴きながら飛び去るなら追い出した形なので、その日は同じ場所に立ち続けません。繁殖期は土の崖に穴を掘るので、崖の前で待たず、記録にも場所を書きません。巣の場所を投稿するで引いた線が、声の項目にも同じようにかかります。