ツバメとイワツバメ
大きさと形で迷う組
腰が白ければイワツバメです。ツバメの腰は背と同じ黒で、飛ぶ姿で差が出るのはこの一帯なので、上から抜ける角度を探します。
並べる2種
ツバメと、腰の白いイワツバメは、空中で虫を捕る細長い翼の鳥として同じ川の上や田の上を飛びます。全長は約17cmと約13cmで、イワツバメのほうが小さくて丸っこく見えます。営巣する場所も建物の外壁や橋桁という点まで似ており、飛ぶ高さが重なるため、大きさの印象だけでは分かれません。川の瀬と中州の上空は、両種がよく混じる場所です。渡ってくる時期も重なり、春の同じ日に両方を見ることがあります。
決め手になる1点
決め手は腰の白い帯です。イワツバメは腰から上尾筒が白く、上から見ると黒い体を白い帯が横切ります。ツバメの腰は背と同じ黒で、白いのは腹側だけです。尾羽も補助になり、ツバメは深く二叉に切れ込み、イワツバメは切れ込みが浅い形をしています。堤防や橋の上から見下ろせる位置では腰がよく見えるので、同じ群れでも立つ場所で決めやすさが変わります。腰の帯は白い面積が小さいので、双眼鏡の視野に入れてから探すほうが確かです。
その1点が使えない条件
真下から見上げる角度では、腰が体の陰に入って見えません。夕方の空抜けや逆光でも、白と黒の差が飛んで全体が黒い影になります。速く飛ぶ個体は腰が見える向きが一瞬しかないため、群れが低く回っているときほど決まりません。曇天では白の明るさが落ちて灰色に沈み、帯を見たと言い切れないことがあります。川面の上を低く往復する群れでは、こちらが立つ高さを選べないまま見送ることになります。
よくある取り違え
腰の白だけで決めると、ヒメアマツバメが混じったときに外れます。この種も腰が白く、市街地の建物まわりを飛びます。分けるのは翼の形と尾で、ヒメアマツバメは翼が細い鎌形、尾は角ばります。ツバメの巣立って間もない個体は尾の切れ込みが浅く、イワツバメと混同されます。腰・尾・翼の3か所を順に見ると、取り違えが減ります。アマツバメの仲間はツバメ類と科が違い、翼の付け根の太さも異なります。
決められないときの引き下がり方
「ツバメの仲間」でまとめて記録するのがこの組の引き下がり方です。腰が見えない角度が続くなら飛び方に切り替えて数分だけ見ると、イワツバメのひらひらした旋回とツバメの直線的な滑翔で見当が付くことがあります。それでも決まらなければ種は決めないまま、飛んでいた高さと川筋の様子を書いて残します。数を数えるだけでも記録になります。1羽ずつ追わずに群れ全体の動きを眺めるほうが、飛び方の差には気づけます。