カワウとウミウ

大きさと形で迷う組

口角の黄色い裸出部の形を見ます。環境省「カワウの保護管理ポータルサイト」は、ウミウがひとまわり大きく緑色の光沢を持ち、この裸出部の形が異なると説明しています。

並べる2種

カワウとウミウは、黒くて首が長く、水面から体を低く出して泳ぐ姿がほとんど同じです。環境省「カワウの保護管理ポータルサイト」のカワウの生態は、ウミウのほうがひとまわり大きく、背と雨覆に緑色の光沢があるとしています。ただし大きさは並ばないと分からず、光沢も光の向きで消えます。内陸の河川や湖沼まで広く入るのはカワウで、河口や岩の多い海岸では両種が同じ杭に並びます。

決め手になる1点

決め手は口角の黄色い裸出部の形です。カワウはこの黄色い部分の後ろ端が丸みを帯び、ウミウでは三角形に尖ります。杭や岩の上で翼を広げて休んでいる個体は横顔が取りやすく、顔だけに絞れば距離が近いほど早く決まります。光沢の色は補助で、ウミウは背と雨覆が緑を帯び、カワウは褐色寄りに見えますが、こちらは順光でなければ出ません。同じ角度から見比べないと形はそろわないので、2羽が並んだ瞬間が最も確かです。

その1点が使えない条件

遠い逆光の水面では、顔の黄色も光沢の色も残りません。海面や川面は光を返すので、数百m先の黒い影になった時点でこの一点は使えなくなります。潜水を繰り返す個体も、顔が水面に出ている時間が短く、頭の向きが定まりません。曇りの日は光沢がほとんど出ないため、晴れた日の記憶をそのまま当てはめると、色の印象だけで決めてしまいます。夏の水面はかげろうで像が揺れ、輪郭そのものがぼやける日もあります。

よくある取り違え

内陸で見たからカワウ、海で見たからウミウ、と場所で決めるのがよくある取り違えです。ウミウは河口や港にも入り、カワウも海岸で採食します。若い個体は胸から腹が白っぽく、成鳥とは別の鳥に見えるところも迷いの元になります。頭が白くなる時期の変化はカワウの繁殖羽と非繁殖羽が受け持つので、同じ種でも季節で見た目が変わることを先に置いておきます。群れで並べば大きさの差は出ますが、単独の個体では基準になりません。

決められないときの引き下がり方

この組では「ウ」で止めるのが正しい引き下がり方です。内陸で見る個体はカワウであることが多いのですが、多いほうを当てはめるのは見分けではありません。顔が読めない距離なら、「ウ類・種不明」と書き、光の向きと距離を添えるところまでにします。同じ水面には日を変えても入るので、次に近い距離で会えば決められます。決めないまま残した記録が、そこで生きます。