ヒヨドリとムクドリ
大きさと形で迷う組
地面にいるかどうかが最も早く効きます。ムクドリは芝生や農地を歩いて群れ、ヒヨドリが地上に降りることはまれなので、いる高さで半分決まります。
並べる2種
ヒヨドリとムクドリは、全長が約27cmと約24cmの中型で、灰色から黒っぽい体の色まで似ています。街路樹や都市公園の芝生と広場では同じ時間に出るため、名前を取り違えたまま覚えている人が多い組です。近くで見ればヒヨドリのほうが尾が長く、ムクドリは嘴と脚が橙色という差があり、飛び方もヒヨドリは上下に波打ち、ムクドリは直線的です。群れの規模も近く、どちらも十数羽から数十羽でまとまって動きます。
決め手になる1点
地面に降りているかどうかが最も速く効きます。ムクドリは芝生や刈ったあとの農地を歩いて採食し、数十羽が地面に散らばります。ヒヨドリが地上に降りることはまれで、降りても長くとどまりません。動き方も違い、ムクドリは足を交互に出して歩き、ヒヨドリは枝から枝へ跳ぶ形になります。双眼鏡を上げる前に、いる高さだけで半分決まります。地面のムクドリは人が近づいても数歩ずつ離れるだけで、見る時間を取れます。
その1点が使えない条件
木の実に集まったときは、同じ木の中に両方がいます。秋から冬のセンダンやピラカンサでは高さで分かれず、この一点は消えます。夕方の集団ねぐら入りも同じで、街路樹に両種が混じって入ることがあります。ムクドリのねぐらの声が響く時間帯にはシルエットしか見えないまま数だけ増えるので、姿勢からは読み取れません。明るいうちに木の実の高さで分けておくと、暗くなってからの群れも見当が付きます。
よくある取り違え
橙色の嘴と脚を見落として、灰色の鳥をまとめてヒヨドリと呼ぶのがよくある取り違えです。ムクドリは顔に白い斑があり、飛ぶと腰の白が目立ちます。逆に、ヒヨドリの頬の褐色斑を「白い顔」と読み違えることもあります。オナガやイソヒヨドリが加わると尾の長さの印象も崩れるため、色は嘴と脚、形は尾と見る場所を決めておきます。灰色に見えるかどうかは光でも変わるため、色を第一の根拠には置きません。
決められないときの引き下がり方
高さも色も取れないなら、種を決めずに数と場所だけ記録するのが引き下がり方です。ねぐら入りの群れは数百羽の中に両種が混じるので、内訳を出そうとすると全体を見落とします。「街路樹に集団・種は分けられず」と書いておけば、翌朝の明るい時間に同じ木で確かめられます。決められない時間帯があると知っておくほうが、観察は早く進みます。群れの規模と入った時刻だけでも、季節の移り変わりを追う材料になります。