ツバメが低く飛ぶと雨になる

種にまつわる思い込み

当たるとも外れるとも、まだ言えません。ツバメの高さが餌の虫の高さに従うところまでは分かっていますが、それを雨に結ぶ数字が公表されていないためです。

言われていること

空模様や生き物の様子から天気を読む観天望気の一つで、ツバメが低いところを飛ぶ日は雨になる、という言い伝えです。理由としては「湿気で虫の羽が重くなり、低いところしか飛べなくなるので、それを追うツバメも低くなる」という説明が天気の本や学校の教材で広く出回っています。朝に空を見て、その日の支度を決める目安として語られてきました。

分かっていること

ツバメは飛びながら空中の小さな昆虫を捕る鳥で、追う相手はハエやアブ、羽アリのような飛ぶ虫です。虫が低いところに多い日は追う側も低くなり、上空に上がっていれば屋根より高いところを飛びます。分かっているのはここまでで、飛ぶ高さが日によって変わること自体は見ていれば分かる出来事です。虫の高さが何によって決まるかは、この言い伝えの説明とは別に確かめる必要があります。

どこまで確かめられているか

湿度が上がると昆虫の飛ぶ高さが下がる、という関係を測った資料を見つけられていません。羽が湿気で重くなるという説明も、重さを測った報告ではなく理屈として語り継がれてきたものです。ツバメが低く飛んだ日に雨が降った割合を数えた公表資料も見当たりません。当たるとも迷信とも決めず、確かめられていないと書くところで止めます。的中率を数えた記録が出てくれば、そこで書き直せる項目です。

なぜ広まったか

観天望気は、道具の無い時代に空と生き物から天気を読む知恵として受け継がれてきました。雲や風、生き物の動きを手がかりにするひとまとまりの言い伝えで、短いことわざの形は覚えやすく、人から人へ渡りやすい形をしています。加えて当たった日だけが記憶に残り、外れた日は数えられません。もっともらしい理屈が添えられたことで、確かめる手順を踏まないまま定着しました。