林のふちとやぶ

山と林

鳥は林の中より、林のふちに出てきます。木と草地や畑の境目には、隠れる場所と見晴らしのきく止まり木が短い距離で並ぶので、姿を出す用事がそこに集まります。

どんな場所か

林と草地、林と畑がぶつかる幅数メートルの帯がこの場所です。低木とつる、枯れ草の混ざったやぶが残り、身を隠す茂みと、見晴らしのきく突き出た枝が同居します。だから鳥は林の奥より縁へ出てきます。やぶの中は声だけで姿が見えないことが多く、出てくるまで待つ場所です。草地の続く河川敷のヨシ原と草地や、木立の中を歩く里山の雑木林とは、立つ位置と待ち方が違います。

季節ごとに何がいるか

春から夏はウグイスのホーホケキョとホオジロの一筆啓上がやぶの上から聞こえ、姿は枝先に出た一瞬だけです。秋はモズの高鳴きが縄張りを知らせ、見通しのきく杭や電線の先に止まります。冬はアオジとカシラダカが地面近くで草の実をつつき、ジョウビタキが一定の間隔で同じ枝に戻ってくるので、待てば同じ場所に現れます。季節ごとに、見る高さを変える場所です。

歩く時間帯

朝のうちが中心ですが、この場所は出てくるまで待つ時間のほうが効きます。やぶの中で動く音がしても姿は見えないので、声のした茂みから数メートル離れ、体を止めて待つと縁の枝に出ます。冬は日の当たる南向きのふちに鳥が寄り、ウグイスの笹鳴きのような地鳴きが待つ間の手がかりになります。日中でも動きは続きます。夕方は林へ戻る動きが集まり、その最後がやぶへ入って静かになります。

足元と服装

草むらとやぶはマダニのいる場所です。厚生労働省は、草むらややぶに入るときは長袖と長ズボンで肌を出さず、シャツの裾はズボンに、ズボンの裾は靴下か長靴に入れるよう求めています。明るい色の服は付いたダニを見つけやすくします。足元は朝露で濡れるので防水の靴にし、帰ったら体をよく確かめ、着ていた服はそのまま家に持ち込まないまでが一続きです。

立ち入りの線

道からはずれない、畑に入らないの二つが線です。林のふちは所有の境目にあたり、やぶの向こうは他人の畑や作業地であることが多いためです。枝を折って視界を作る、やぶを踏み分けて中へ入るのは、待てば済むことのために場所を壊します。やぶは営巣の場所でもあるので、巣に近寄ることにならない距離で足を止め、出てこなければそこまでにします。