広角レンズ

カメラ・レンズ

広く写し、奥行きを強く見せるレンズ

どんな道具か

35mm換算でおよそ35mmより短いレンズ。24mmで対角約84度と、目で見るより広い範囲が一枚に入る。ただし本当の効き目は「広く写る」ことより、近くのものが大きく遠くのものが小さく写ることのほう。前に置いたものと背景の差が開き、遠近法の効いた奥行きが強く出る。

選び方

風景、室内、狭い場所で使う。キットの標準ズームがすでに広角側を持っているので、まずはその一番広い端だけで撮ってみるのが順番。買い足すなら換算24mm前後の広角ズームか、16〜20mm相当の超広角。値段は5万〜10万円ほどが目安で、明るいものほど高い。広ければ広いほど良いわけではない。

使い方のコツ

主役に思いきり寄る。引いて撮ると広い範囲に何もかも入り、何が主役か分からなくなる。近くに強いものを置き、そこから奥へ線が伸びる形にすると効く。リーディングラインや一点透視と相性がいいのはこのため。カメラを水平に構えると建物の縦線が倒れず、あえて傾けたときの誇張も意図として使える。

手入れ・注意

人を画面の端に置かない。端へ行くほど像が引き伸ばされ、顔や体が横に膨らんで見える。近くから見上げて顔が大きく写るのも、レンズの歪みというより遠近法による見え方。前玉が出っ張る超広角はフィルターやフードを付けにくく、指も写り込みやすいので、構える前に手の位置を確かめる。

解説動画: 苦手意識をなくす広角レンズの二つの性質と使い方/中原一雄 / studio9 channel

広角をどう定義しているか: はっきりした線引きはないとしつつ、35mm換算で30mmより短いものを広角、24mmより広いものを超広角と呼ぶことが多いと説明する。スマホの標準カメラも換算26mmほどなので広角に入る。「広い範囲が写るレンズ」としか見ていないと使いこなせない、というのが出発点。

覚えるのは二つの性質: 一つは画面の端ほど像が伸びること。中心から離れるほど強く、とくに長い辺の側の端が伸び、真ん中は形が保たれる。もう一つはどこか一点に集まって見えること。二つは同じ現象の言い換えで、標準や望遠でも起きるが広角は程度が強いと補っている。

人を撮るとき: 顔を画面の端に置くと頭が伸びて別の形になるので、顔は中心寄りに置く。伸びてよいものを端へ回すのがこつで、足を下の端に入れると長く見える。顔を真ん中にして上に余白を作り、あとで上を切り落とす撮り方も、この性質を使いこなした例として挙げている。

風景と街での使いどころ: 広い風景をそのまま収める場面は実は少ないという。手前に花や木や船の通った泡を大きく入れ、そこから奥へすぼまっていく形にすると奥行きが出る。雲があると集まっていく様子が見えて空も効く。ビルの谷間や塔を足元から見上げれば中心に集まり、狭い店で近寄ればその場にいる感じが残る。