単焦点レンズ
カメラ・レンズ
ズームできない代わりに明るく写るレンズ
どんな道具か
焦点距離が一つに固定されたレンズ。ズームできないぶん構造が単純で、同じ値段ならズームより明るく、写りも素直になる。開放F1.8前後まで開くので暗い室内でも手ブレしにくく、背景も大きくぼける。被写界深度の浅さを自分で選べるようになるのが、最初に体感できる変化。
選び方
最初の1本は35mm換算で50mm前後、開放F1.8のものがよい。各社が入門用に出していて1万〜3万円台で買える。50mmは対角約47度と人の見た目に近く、寄っても引いても不自然になりにくい。狭い部屋で使うことが多いなら35mm相当を選ぶ。自分が半歩下がれば画角はつくれると思って構わない。
使い方のコツ
ズームリングがないので、足が代わりになる。撮る前に「どこに立つか」を決める癖がつくのが、この道具のいちばんの効き目。開放で撮るとピントの合う範囲が数センチしかないため、人物なら目にピントを置くと決めておく。ぼかすほど良いわけではなく、三分割法で主役の位置を決めてから絞りを選ぶ順のほうが安定する。
手入れ・注意
開放が明るいレンズは前玉が大きく、傷と汚れが目立つ。拭く前にブロアーで砂を飛ばす。砂が乗ったまま拭くとコーティングに線が入る。使わないときは前後にキャップをして、乾燥剤を入れた箱に置くとカビが出にくい。長く放置するとレンズ内に糸のようなカビが伸び、写りが白くにじむ。
解説動画: 35mm・50mm・85mmの単焦点を同じ場所で撮り比べる/もろんのんTV
何を比べているか: 35mm・50mm・85mmの単焦点を、立ち位置も被写体も変えず開放のまま撮り比べている。焦点距離が変わるとぼけの量と背景の入り方がどう動くかを、同じ人物の写真を並べて見せる作りで、どれが良いという話ではなく好みを見つけてほしいと結んでいる。
三本の性格の違い: 35mmは肉眼より広く写り、周りの様子まで入るので旅や街のスナップに向くという。50mmは見たままに近い切り取りで、主役を立てつつ場の空気も残る基準の一本。85mmは中望遠にあたり、背景がよくぼけて主役がいちばん際立つ絵になる。
顔の大きさをそろえて比べると: 次はカメラの位置を動かし、写る顔の大きさをそろえて撮り比べている。35mmは寄るぶんパースがつき、歪むかわりに躍動感が出る。85mmは離れるぶん前後が詰まって歪みが消える。これを圧縮効果と呼び、顔の大きさが同じでも背景の入る量がまるで違うと見せている。
使い分けとして言っていること: 35mmは広く入るぶん、何も考えずに撮ると手前も背景も雑然としやすいので、構図の整理が要ると言う。50mmは自分が動いて切り取る距離。85mmは離れて構えられるので、初対面の相手でも互いに緊張しにくいと屋外のポートレートに挙げている。