シャドウ

画面の暗い部分。形を支える側

どういう意味か

画面の暗いほうを指す言葉。ものが落とす影と、光が当たらない面の暗さの両方を含み、絵ではこの二つを分けて扱うことが多い。暗い中にも段階があるのがふつうで、一様に真っ黒で何も見えない状態は黒つぶれと呼び、そちらは失敗のほうに数える。

どこで出てくるか

写真編集の「シャドウ」「黒レベル」のスライダーと、ヒストグラムの左端。撮影中に左端へ張り付いていれば黒つぶれのサイン。絵の解説では明暗法の話や、暗がりから人物が浮かび上がる描き方の説明に出てきて、聖マタイの召命がよく例に挙がる。

使い方

暗い部分を「写っていないところ」ではなく「見せない選択」として使えるようになる。写真ならシャドウを持ち上げすぎない。持ち上げるほど色は濁り、ざらつきも出てくる。絵なら影に周りの色を混ぜて黒一色にしない。コントラストの効き方は、明るい側よりも暗い側の置き方で決まると見ると分かりやすい。

解説動画: 影の色は周りの環境で決める 境目と段階のつけ方/ばななふぃっしゅ / 坂本トウヤ

影をどう捉えているか: 影を一律に暗くするのではなく、光が当たらない面の暗さと、物が落とす影を分けて考えている。光の当たる部分は光源の色に寄って明るくなり、影側は太陽光がほとんど届かないぶん空の青の影響を受けて青みに寄る。地面からの照り返しで影の下側は地面の色を帯び、照り返しが届かない落ち影は本体の影より暗くなるとし、空の光も照り返しも届かない所はさらに暗いと段階で説明している。

影の色の選び方: 色を決める手がかりは周りの環境ひとつだと言う。青空の下なら青み、森の中なら黄緑、雪の上は照り返しが強くて影が薄く、夕方は光が弱いぶん暗い紫になる。実際の写真でも白い部分を見ると環境の色が出ている。周りが明るいほど影は薄く、暗い室内では濃くなる。背景から浮かせたいときはあえて外す手もある、とも添えている。

境目に質感が出る: 落ち影の境目は物との距離で見る。近いほどくっきり、離れるほどぼかす。さらに境目そのものが素材を語るところで、岩のようにラフなものはガタガタに、柔らかいものはぼかした境目になる。毛足の長いマフラーを、削った境目とぼかした境目で塗り分けて、同じ形でも質感が変わることを見せている。境目に彩度の高い色を乗せると光が拡散した表現になり情報量も上がるとも勧めている。

塗る順番: 手順は一影、二影、その間をつなぐグラデーション、最後に照り返しの順。一影は光の当たらない部分、二影は環境の光も照り返しも届かない影の中の影で、二影は下の色の色相に合わせた暗い色にする。彩度は一影で上げ、さらに暗い二影では下げるとよいのではないか、という色相環の話は自分なりの考察だと断っている。