ダイナミックレンジ

いちばん明るい所から暗い所までの幅

どういう意味か

一枚の中に、いちばん明るいところからいちばん暗いところまで、どれだけの幅を写し取れるか。段(EV)で数え、スマホで10段前後、レンズ交換式で14段前後。一瞬で見える幅は人の目もこれと大差ないが、見回すうちに明るさへ順応するので、自分には空も顔も見えているのに写真だけ空が飛ぶ、ということが起きる。

どこで出てくるか

測定サイトやレビューに出る「◯段」「◯EV」の数字と、スマホカメラのHDR。逆光でも顔と空の両方が出るのは、明るさを変えた複数枚を合成して足りない幅を補っているから。RAWで撮っておくと、あとから引き出せる幅が広くなる。

使い方

入りきらないと分かっていれば、先に捨てるものを決められる。空を残すか、人の顔を残すかを撮る前に選ぶ。両方欲しいなら、逆光でレフ板や壁の反射を使って暗い側を持ち上げるか、HDRで撮る。絵の具や紙で出せる明暗の幅はもっと狭いので、目の前の明暗をそのまま移さず、圧縮して置き直すことになる。

解説動画: 段・EV・ストップの違いとラチチュードとの区別/カメラ部TV

呼び方を整理している: 段、EV、ストップ、デシベルと言い方が分かれている理由を先に整理している。EVは明るさの絶対値ではなく相対値なので、何EVというときはどこかにある幅を指すことになる。1EVは1段、動画でいう1ストップも同じで、ストップは絞りの段数の英語読みが元。フィルムの動画は絞りでしか露出を変えられなかった名残だと説明している。

ラチチュードとの違い: 銀塩フィルムの頃に使われたラチチュードとは別物だと区別している。ラチチュードは適正露出から何段オーバー・アンダーまで画像として許容できるかの範囲で、ネガで5段前後、ポジで1段程度。デジタルは撮像素子と画像処理で明暗の限界がはっきり決まるため、その幅をダイナミックレンジと呼ぶようになった。10EV以上あり民生機でも15ストップの機種が出てきている。

ビット数とは関係ない: ビット数が多いほどダイナミックレンジが広い、という思い込みについてはまったく関係がないと否定している。ビット数は同じ幅のデータをどれだけ細かく分割して持たせるかの話で、8ビットなら256分割、12ビットなら4096分割するだけだと説明する。幅そのものは撮像素子と画像処理システムで決まるので、感度を変えても大きくは動かないとも言い添えている。