遠近法
形・構図
奥行きを平面に描く仕掛け
どういう意味か
平らな画面に奥行きがあるように見せる描き方の総称。遠いものほど小さく描き、奥へ伸びる線を一点に集めると、床や壁が続いて見える。線で奥行きを作るやり方を線遠近法、空気の濁りで作るやり方を空気遠近法と呼び分ける。
どこで出てくるか
ルネサンス以降の解説パネルにはほぼ必ず出てくる言葉。最後の晩餐は画中の直線がキリストの右のこめかみの一点へ集まり、洗浄の際にその位置から釘の跡が見つかっている。写真でも広角レンズで寄るほど、線の集まりは強く出る。
使い方
絵の前で床のタイルや天井の線を目でたどると、線の集まる先が分かる。そこに主役が置かれていることが多い。撮るときも道や廊下が一点へ向かう位置に立てば一点透視になり、奥へ目が引き込まれる画面になる。
解説動画: 消失点とアイレベルから始めるパースの基礎/KYOSUKE MARUYAMA【漫画家】
パースをどう定義しているか: パースを遠くほどモチーフが小さくなる法則と一言でまとめ、そこから積み上げていく。小さくなっていく先の一点が消失点、その点が並ぶ高さの線がアイレベルで、アイレベルはおおむね目線やカメラの高さに来る。厳密には違うが地平線とほぼ重なると覚えておくと理解が早い、という説明の仕方をしている。
一点・二点・三点の使い分け: 廊下や道の真正面に立つと消失点は一つで一点透視。少し横を向くと逆側にもう一つできて二点透視になり、見上げるか見下げると上か下に三つ目が生まれて三点透視になる。三つ目の点は必ず自分が見ている場所の真上か真下に来る。消失点が増える場面は、モチーフが平行でないとき、上り坂や下り坂、見上げ見下げの三つだと整理している。
やりがちなミス: 消失点を画面の中に全部収めようとしない。人の視界は思ったより狭いので、収めるとパースの角度がつきすぎて自然に見えず、逆に遠すぎても違和感が出る。楕円も歪ませてはならず、角度が変わっても正しい楕円のまま、ただし軸が垂直とは限らない。パースに合った四角と補助線を描き、その中に収めるやり方を勧めている。三つ目の消失点を立ち位置からずらしてしまった自身の失敗も語っている。
パース以外の奥行き: 奥行きを出す方法はパースだけではないとして三つ挙げている。モチーフを重ねて前後を示すこと、手前を強く奥を弱くするコントラストの差、そして手前を描き込み奥をシルエットに落とす情報量の差。二つ目については、遠くの風景が霞んで見えるのと同じだとして空気遠近法とも呼ばれると触れている。