アスペクト比

形・構図

アスペクト比は、写真や絵の縦横の長さの比。

どういう意味か

画面の横と縦の長さの比。同じものでも、比が変われば余白の量と落ち着き方が変わる。3:2は、映画用18×24mmのコマを倍にしてフィルムを横に走らせたライカの試作機(24×36mm)に由来し、一眼やミラーレスの標準。4:3は無声映画に多かった比で、スマホやコンパクト機の標準。1996年のSMPTE誌の論文(Schubin)は、調べた範囲で動画に特定の比が好まれる明確な証拠は見つからなかったとした。

どこで出てくるか

カメラのメニューの「アスペクト比」欄と、SNSの推奨サイズ。プリントでもずれが出て、L判は89×127mmで比は約1.43なので、3:2で撮った写真は左右が少し切れる。映画は1932年にハリウッドの発声映画が1.37:1を採用し、1950年代初めに横長が試され、シネマスコープは最大2.66:1に達した。燕子花図屏風は1隻が縦151.2×横358.8cm、比は約2.37。

使い方

撮る前に比を決められるようになる。立ち姿は縦位置、広がりなら横位置。廣瀬雅弘(YouTubeの「写真の秘訣」)は、横の広がりを出したい渓流は16:9か16:10、周りまで見せたい岩の景色は3:2が合うと話し、きっちり収めすぎると窮屈になるとも言う。神奈川沖浪裏の東京富士美術館の1枚は24.6×36.5cmで、比は約1.48と3:2に近い。

出典

  1. 論文・英語 Schubin M(1996) Searching for the Perfect Aspect Ratio
  2. 公的機関・英語 Heidi Holmstrom(米国国立公文書館 特殊メディア部門のブログ)(2018) The Measure of a Screen: Motion Picture Aspect Ratios in the Archives
  3. 資料・英語 Photographic Historical Society of New England(2021) The Ur-Leica: Primeval, Primitive, Original, Earliest Leica
  4. 公的機関 文化庁「文化遺産オンライン」(東京富士美術館蔵) 冨嶽三十六景《神奈川沖浪裏》
  5. 公的機関 根津美術館 燕子花図
  6. 動画 写真の秘訣 廣瀬雅弘写真術 写真の秘訣 構図を極めるアスペクト比(16:9)

解説動画: 16:9より18:9を勧める動画の縦横比の話/Wataru Hayashi / トラベルビデオグラファー

16:9が主流になった経緯: 縦横比の変遷から入る。昔は4:3が主流で、四角い形をしたテレビに合わせて映像が作られていた。没入感を求めて横長化が進み、縦に伸ばして撮って後で圧縮するレンズが使われ、2.35:1や1.85:1といったワイドが生まれる。旧来の4:3とワイドのどちらにも収まりよく対応できる比として16:9が主流になったと説明する。

比そのものが物語を運ぶ: アスペクト比は話の伝え方にも効くとする。幼少期や過去の場面は4:3に近い比、現代の場面に移った途端に一気に横長へ切り替えると対比が生まれる、という使い方を海外の映像作品に見ている。だから比は動画の目的や中身に合わせて柔軟に変えるのがよい、という立場を取っている。

いま18:9を勧める理由: スマートフォンが縦長になったことを根拠に挙げる。以前の機種は画面が16:9でぴったりだったが、最近は19.5:9のように、ならせばおおむね2:1に近い。そのため16:9で作ると両脇が余って画面を使い切れない。18:9にすれば同じ端末でより大きく見てもらえるとして、自分の投稿もこの比に変えたと述べている。

18:9で作る手順: 撮影は16:9のまま進め、マーカーのセーフティゾーンを90%にして表示し、上下の線に収まるよう画面を作れば、後で18:9にしても崩れないとする。編集ではプロジェクトを自作の寸法にし、3840×1920や1920×960のように縦を半分に取って、素材を114%に拡大して埋めるやり方を見せている。