窓の光

光

窓の光は、室内でいちばん扱いやすい大きな光。

どんな型か

屋内で窓から入ってくる自然光。窓は空の光を通す大きな面なので、直射日光が入るか、曇りの空の光が入るかで硬さが変わる。機材を何も足さずに、方向のある光が手に入る。室内で描く絵と写真の基本になる光で、窓の大きさと位置が、光の向きと影の縁の硬さを決める。窓の外の明るさも、室内の明暗の基準になる。サイド光と拡散光を比べると、窓の光の型がはっきりする。

何が起きるか

光が一方向から入るため、窓側が明るく、反対側に影が落ちる。イラストレーターのNegは、光源が小さく影の境界がくっきりした光(ハードライト)は、陰影のメリハリで立体感が伝わりやすく、視線も集めると説明する。Kobayashi ら(2021)の実験では、あいまいな図形で凹凸を判断するときに人が仮定する光の向きは左寄りに偏った(明るさの判断では真上に近かった)。

使い方

絵では光源をこの窓1つに絞り、影の側を作り込むと室内らしくなる。写真は窓の近くに被写体を置き、窓に対して横向きにするとサイド光になる。直射が強い日は、レースのカーテン1枚で光が散り、拡散光に近くなる。影を真っ黒にしないために、床や壁で光を返す反射光を入れる。Negは、光に照らされた床が次の光源になり、反射光がないと影は真っ暗になると説明する。

やりがちなミス

たなかは、晴れた日の室内は外より暗く落ちると話す。窓の外まで一緒に写すと、外が白く飛ぶ。窓ガラスには影が落ちないが、映り込みは写り、室内より明るい場所は明るく映り、暗い場所(屋根の裏面など)は暗く映る。同じ解説では、ブラインドにはサッシや外壁の影を壁と同じパースで落とすと説く。映り込みは手前のものだけで、奥のものは映らないとも話す。

出典

  1. 動画 Neg Illustration 原理から学ぶ厚塗りの光の描き方
  2. 動画 Illustration College たなか デジタル風景画 窓ガラスの映り込みの考え方や表現方法【Window glass】
  3. 論文・英語 Kobayashi, Yuki(2021) Distinct processes of lighting priors for lightness and 3-D shape perception

解説動画: 窓の光ひとつで室内のコーヒーを撮る手順/高澤 けーすけ

窓の光だけで撮るという方針: 自宅でコーヒーを淹れる過程を撮る実演。撮影中は部屋の照明をすべて消し、窓から入る一方向の光だけに頼るとしている。理由は、いろいろな方向から光が入ると写真がのっぺりしてしまうから。光源を複数立てて調整するのは難しいので、窓の光1つで組み立てているという。

照明を点けた場合との違い: 同じ被写体を部屋の電気を点けて撮った絵と見比べ、点けると全体に光が回ってのっぺりすると説明している。消すと手や道具の間に影が入り、雰囲気のある写真になる。そのぶん暗くなってISO感度は上がるが、そこは仕方ないと割り切って撮っている。

置き方と光の受け方: 窓の光が入ってくる方向とは反対側にカメラを構え、逆光ぎみに撮るのを基本にしている。グラスは机の端に置き、逆光にすると表面に窓の白い光が乗るのでそこを狙う。机の真ん中に置くと周りが空いて平板に見えるため、花を足して空間を埋める手も見せている。

背景の用意: 背景には自作の木製の机を使っているが、テーブルクロスや背景紙、板でも代用できるとしていて、ホームセンターや百円ショップのもので足りるという。写真に正解はないので、自分がいいと思った撮り方を真似してみるのがいい、という締め方をしている。