順光

正面から当てて色をいちばん濃く出す

どんな型か

撮る人・描く人の背中側に光があり、被写体の正面がまるごと照らされる状態。影は被写体の裏に隠れて見えなくなる。色が濁らず、いちばん素直な明るさで出るのがこの光の取り柄で、失敗の少ない当て方でもある。

何が起きるか

面が均一に明るくなるので、色そのものの違いがよく見える。青空は濃く、赤は赤らしく写る。反面、影が見えないぶん凹凸の手がかりが消え、被写体は平たく見える。影を描かず色面で見せる浮世絵はこの見え方に近く、凱風快晴も、赤い山肌と青い空、裾の樹海の緑を、陰影ではなく色の面で分けている。

使い方

絵では影が使えないぶん、彩度と大きさの差で前後を作る。手前を濃く、奥を薄くする。写真は太陽を背にして立ち、午前か午後の斜めに射す時間を選ぶ。自分の影が画面に入りやすいので足元を確認する。青空や紅葉のように、色そのものを見せたい被写体と相性がいい。

やりがちなミス

立体感が出ないので、順光だけで物の形を見せようとすると失敗する。人物は正面から光が来ると眩しくて目を細める。真昼は影が真下に落ちて目の下だけ暗くなるため、顔を撮るなら日陰や拡散光に逃がすほうが早い。

解説動画: 順光は色が濃く出るが立体感は弱い、その使いどころ/ケイゴの写真大学

順光をどう位置づけているか: 光の向きを逆光・順光・斜光・半逆光・トップ光の5種類に分けて整理し、順光は逆光の反対、被写体の正面から当たる光だと説明している。撮る人の背中側に太陽などの光源がある状態を指し、使い方を間違えると平凡な写真になりがちな光でもあるとして、特徴を押さえてから使うよう勧めている。

順光の3つの特徴: 挙げているのは、色が素直に出ること、被写体全体に光が当たって色や質感が鮮明に伝わること、立体感が弱いことの3つ。色はもともと光の反射で見えるものなので、光が直接当たっている面ほど濃く鮮やかに出るとし、花の色や青空をしっかり出したいときは順光を作ることが多いと言っている。

立体感が出ない理由: 立体感は光と影から生まれるもので、平らな円も影を描き足すと球体に見えてくる、と画面上で示している。順光は正面から光が来るぶん影ができにくく、人物ではのっぺりとした顔になり、印象の弱い写真になりやすいと注意している。

写真から光を読む: 自分の好きな写真がどんな光で撮られたかを言い当てる練習を勧めている。強い影が出ておらず立体感も弱ければ順光、と判断でき、影の濃さと、光と影の境目のはっきり具合を見れば光が硬いか柔らかいかも読み取れるという。太陽に雲がかかるだけで質は変わり、自然光では1、2秒の違いで写真がまるで変わるとも言っている。