サイド光
光
サイド光は、横から当てて凹凸を浮き立たせる。
どんな型か
光が被写体の真横、あるいは斜め前から当たっている状態。片側が明るく、反対側に影ができる。イラストレーターのNegは、法線(面に垂直な線)が光源に向いている面ほど明るくなると説明する。そのため、面の向きが変わるところで明暗の境目が出る。同じ物でも光の向きが変わると、明暗の並びが変わる。明暗の配り方そのものは明暗法で扱う。
何が起きるか
人は陰影から凹凸を読むとき、光は上から来るという仮定を使う。Adams ら(2004)は、この仮定が経験によって変わると報告している。Mamassian(2001)は、仮定される光の位置が真上より左へ約26度寄っていたと報告した。横からの光は、この仮定とずれた向きの影を作る。Proulx(2014)は、陰影からの形の知覚が、遮られていても外の光源の影響を受けると報告している。
使い方
絵では明るい側と影の側を1本の境目で分け、影の中にも回り込んだ弱い光を入れると板のように見えない。写真は朝夕の低い太陽が自然なサイド光になる。室内なら窓に対して被写体を横向きに立たせ、影が濃すぎるときは反対側に白い紙を立てて光を返す。
やりがちなミス
真横から当てて光源が1つだけだと、影の側が黒く潰れて何も見えなくなる。Negは、光に照らされた床や壁が次の光源になり、影の中に反射光を生むと説明する。その反射光がないと影は真っ暗になるので、影の側に反射光を置く。Negは、光が強く当たる所ほど彩度が低く、影ほど彩度が高くなると話す。Negの図解では、光源を増やすと影の濃淡が滑らかになる。
出典
- 論文・英語 Adams ら(2004) Experience can change the 'light-from-above' prior
- 論文・英語 Mamassian(2001) Prior knowledge on the illumination position
- 論文・英語 Proulx(2014) The perception of shape from shading in a new light
- 動画 Neg Illustration 原理から学ぶ厚塗りの光の描き方
解説動画: 横から当てて立体感を出す斜光の使いどころ/よっしーの写真教室
斜光をどう説明しているか: 光の向きを順光・斜光・逆光の3つに分け、斜光は被写体の横、あるいは斜め上から当たる光だと説明している。自分の作例では右側が明るく、左側に影が落ちる状態になり、正面から当たって影の出ない順光との違いを見せている。
何が変わるか: 斜光にすると明暗がはっきりして立体感が浮き彫りになるとしている。メリハリが出ながらも不自然さはなく、被写体の存在感をアピールしたいときに強い印象を作れるという。対する順光の作例は色こそ鮮やかだが平坦で、どこから光が当たっているかが読み取りにくいと対比している。
斜光の作り方: ライトを正面から当てると順光になって平坦な写真になるので、誰かにスマートフォンの明かりを斜めから当ててもらうことを勧めている。自動販売機の前に立ってもらい、横から光を当ててもらう手も挙げていて、それだけで自然な写真になるとしている。
光の向きを先に見る: プロは被写体にカメラを向けたとき、まず光がどこから来ているかを考える人が多い、と切り出し、光を見る目を養うことを勧めている。どれだけ高価な機材で完璧な構図を決めても、光がいまいちだとぼやけてインパクトのない写真になるという言い方をしている。