古い葉の縁から枯れ込む

株のようす

判定: すぐ手を打つ

古い葉の縁から枯れ込むのは、カリウムが足りない形です。餌から入るカリウムは株の必要量に届かないので、外から足す前提で組みます。

どう見えるか・どんな数字か

下のほう、いちばん古い葉から縁が茶色く焦げたようになります。点が縁に沿って並び、やがてつながって帯になります。葉脈の間が黄ばむこともあります。新しい葉は緑のままで、株全体に張りがありません。果菜では葉より先に、花が落ちる、実が太らないという形で出ることもあります。硝酸態窒素(NO₃-N)は足りていることが多いです。

何が起きているか

カリウムは株の中を移動できる養分なので、足りなくなると古い葉から新しい葉へ回されます。だから症状は下から出ます——新しい葉から出る新芽だけが黄色く、葉脈が緑に残るとは向きが逆です。餌の粒には植物が要るだけのカリウム(K)が入っておらず、この系では慢性的に足りません(FAO 589)。

どうするか

先にpHを測り、下がっていれば上げ直す資材をカリウム側から選びます。硝化は酸を出し続けるので、pHを戻す作業は定期的に回ってきます。水酸化カリウムか炭酸カリウムを、pHがゆっくり動く量だけ入れます(FAO 589)。果菜ではカリウム、葉物ではカルシウムに寄せます。焼けた葉は戻りません。

起こさないために

pHを上げ直す作業を、カリウムとカルシウムを系に入れる機会として組んでおきます。重曹は使いません——ナトリウムが増えて植物に障ります(FAO 589)。炭酸カリウムのような穏やかな資材を少しずつ使い、数週間かけて動かします。肥料は魚のフンだけで足りる?で見たとおり、鉄・カリウム・カルシウムは外から足すものとして最初から見込んでおきます。

どこまで確かめられているか

カリウム欠乏が古い葉の縁の焼けとして出ること、餌由来では鉄・カリウム・カルシウムが不足しやすいこと、pHを上げる資材でカリウムとカルシウムを補えることは、FAO 589に書かれています。レタスとエンダイブを2 m²の浮き床で23日育てた比較では、養液のカリウムは19.6 mg/L、ECをそろえた水耕は26.8 mg/Lでした(Vanacore ら 2024)。

解説動画: A Beginners Guide: Nutrient Deficiency/ZipGrow

欠乏の見分け方: 動画は、養分が足りない株は見て分かる形で知らせると始めます。手がかりは葉が黄ばむクロロシスと、組織が枯れて乾く壊死の二つ。そのうえでどこに出たかを併せて読むよう述べます。古い葉か新しい葉か、葉の中ほどか、先か縁か。溶液に入っていても株が使えない形になっていることがあり、その見分けにも症状の出た場所が要るとします。

移る養分の理屈: 株の中を移動できる養分と、できない養分に分けて説明します。窒素・リン・カリウムは移せるので、足りなくなると古い下の葉から新しい生長点へ回されます。だから症状は下から出る。動かせないカルシウムと鉄は逆で、先に傷むのは新しい生長点のほう。鉄なら新芽だけが黄色く、葉脈が緑に残る形で出ると分けます。

縁に沿う焼け: カリウムの不足は最初おとなしく、株全体が少し元気を欠くだけで気づきにくいと言います。進むと葉の縁に沿って黄ばみが出て、先から縁を伝って広がり、真ん中は残る。窒素のようにV字で葉の内側へ食い込まないところが違いだと分けます。縁の帯に壊死が混じることもあり、カリウムは移る養分なので、出るのはやはり下の古い葉からだと押さえます。

紛らわしい相手: 縁の焼けはカルシウム欠乏とも似ますが、そちらは動かない養分なので新しい葉の先に出て、縁にまだらに散ると分けます。養分を濃くしすぎた焼けとも紛らわしいと言います。マグネシウムは古い葉から出る点は同じでも、葉脈が緑に残り、間がほとんど白くなるので見分けられると述べます。

葉は戻らない: 見分けたら足りない養分を補いますが、焼けた葉はそのまま残ります。良くなるのは新しく出てくる葉のほうだと動画ははっきり言います。診断は自己流の画像検索ではなく、モンタナ州立大学が公開しているような大学の検索表や地域の普及員に当たること。縁の焼けを見たら、まず古い葉から出ているかを確かめる話に結びます。