水温計
測る道具
水温は、酸素の溶ける量と魚の食欲を同時に動かします。1日の最高と最低が残る型なら、留守のあいだに何度まで上がったかが分かります。
何のためのものか
水温は酸素の溶ける上限と、アンモニアの毒性と、魚の食欲を一度に動かす数字です。水温が上がるほど、水が抱えられる酸素の上限は小さくなりますので、同じ量の空気を送っていても、夏は入れられる量そのものが減ります。上限の表と読みかたは酸素飽和度に、範囲の話は水温と溶存酸素(DO)の側に置きました。
選ぶときに見るところ
見るのは最高と最低が残るかです。留守のあいだの山は、後から目盛りを見ても分かりません。米国地質調査所の手引き(2024年)はサーミスタ式の電子温度計が棒状の液体封入式に取って代わったとし、水銀入りは現場へ持ち込まないとしています。非接触の赤外線式は水面しか測れず、反射と水の動きで値がぶれます。
使いかたと手入れ
魚のいる槽と育てる床の両方に置きます——日の当たる床の水は、同じ系でも数℃違うことがあります。測るときは60秒以上沈めて表示が落ち着くのを待ち、直射日光の当たる場所は避けます。動きの少ない水は深さで層になるので、いつも同じ深さで読みます。表示が薄くなったら電池を替え、吸盤と感温部の汚れは月に一度ぬぐいます。
無いとどうなるか
水温は気温より遅れて動くので、暑い日の翌朝に効いてきます。計が無いと、酸素が減ってアンモニアの毒性が上がった状態をそのまま夜へ持ち越すことになります。水温が上がったまま下がらないは、上がった事実より下がらない日数で判定が変わり、記録が無いと読めません。夏に20℃を越せないイワナでは、最高の記録がそのまま飼えるかどうかの記録になります。冬は逆に下がりすぎて、えさを残すようになったへ傾きます。
解説動画: 【温度センサー】温度計の種類、測定原理、誤差を比較してみた/エネ管.com
示す値は正しいのか: 工場の配管に付いている温度計を見ながら、その値は本当に正しいのかと問うところから始まる回です。水槽の話は出てきませんが、測る道具そのものの回なので、水温をどの型で読むかを決めるときの下敷きになります。摂氏は水が凍る温度と沸騰する温度のあいだを100等分したものだと確認して、6つの型を順に比べていきます。
膨らみで読む型: まず液体温度計。封入した液体とガラスの熱膨張の差で測る、理科の実験で触れたあの型で、誤差は±1℃程度と言います。バイメタル式は貼り合わせた2種の金属が曲がるのを使い、誤差は目盛り全体に対する割合で表す。0〜100℃の等級2なら±2℃という書き方になります。
電気で読む型: 熱電対は2種類の金属をつないだもので、接点間の温度差で生まれる熱起電力(ゼーベック効果)を使います。抵抗温度計は電気抵抗が温度で変わる性質を使い、微小な電流を流して電圧降下を測る装置が要る。どちらもJISで許容差が決められていると述べます。
触れずに測る型の穴: 放射温度計は物からの放射の強さを読むので触れずに測れます。ただし光沢のある金属は計測できないと明言します。測るには黒体テープや黒体スプレーが要り、誤差は測る人によって変わってくる。触れずに済むことと、正しく読めることは別だという整理です。
重ねるほど増える: まとめは短く、温度ひとつとっても測定原理はまったく違う、そして誤差は等級にもよるがだいたい1〜2℃程度だと言います。そのうえでいくつかの測定器を組み合わせると誤差は増えていくと注意します。ガリレオ温度計は見た目で売られている型で、誤差は不明だとも添えます。