pH計

測る道具

校正しない計は、数字を出しても値ではありません。標準液で合わせる手間まで含めて道具で、電極を乾かせばそこで寿命が終わります。

何のためのものか

pHは魚と硝化菌と植物の三方に同時に効く数字です。低いほうへ寄れば植物は鉄を吸いやすくなり、高いほうへ寄ると同じアンモニア量でも毒性の強い型が増えます。硝化が出す酸が休みなく溜まるので、この系のpHは放っておけば下がる向きに動きます。その動きを日ごとに読むのがこの計の仕事で、目安の範囲そのものはpHの側に置いています。

選ぶときに見るところ

見るのは2点で校正できることと温度補償を持つことの2つです。0.01刻みまで読めれば毎日の下がり方が見え、0.1刻みでは動きが数字に現れません。電極は消耗品なので、本体ごとでなく電極だけ替えられる型だと長く使えます。校正液と保存液が続けて手に入るかも、先に確かめておきます。水辺で使う以上、防水の等級と電池の持ちも同じくらい効いてきます。

使いかたと手入れ

電極は消耗品です。精製水に浸けたまま保管しません——保存液に入れて先端を乾かさないことが、いちばん寿命に効きます。標準液に当てて線を引き直す手順そのものは電極の校正と保管にまとめました。合わせても標準液の値に届かない、反応が遅い、表示が揺れて止まらないというときは、洗うか替える時期です。校正液と保存液と替えの電極は、切らす前に足しておきます。

無いとどうなるか

pHは見た目にも匂いにも出ません。計が無い、あるいは校正していない計しかないと、酸が溜まって下がり続ける動きに気づけないままになります。pHが毎日下がるは数字を並べて初めて向きが分かる判定で、緩衝が尽きたあとの落ち込みは一晩で進むことがあります。その前触れはKHがゼロに近いの側に出るので、二つを並べて記録します。

解説動画: pH計を校正します/スローライフ ねもっチャンネル

標準液を作る: 動画は、粉末の校正用パウダー3種(25℃で4.00・6.86・9.18)から始めます。表示が25℃を基準にしているので、低温調理の器具で27℃に温めた精製水を用意します。250mLの線まで入れる前にカップの内側を精製水ですすぎ、どの液を入れたか分からなくならないよう袋をカップの前に置く、と手順を細かく見せます。

先端だけを浸す: 電源を入れたら、キャップが差さっていた先端の部分だけを液に浸します。深く入れると防水ではない本体が壊れる、と釘を刺します。浸したら軽く振り、表示が落ち着くまで待ってから読む。撹拌に使ったスプーンは次の液へ移る前に洗う——標準液を混ぜないための手当てが、何度も出てきます。

校正のボタン操作: 合わせ方は、表示が安定したところで校正のボタンを5秒間押し続け、3回点滅したら確定です。6.86、4.00、9.18の順に三点で合わせ、次の液へ移る前に先端を精製水ですすぎます。少し揺らすだけで表示が動くため、完全に止まるのを待たずに区切る場面も、そのまま映しています。

合ったか確かめる: 校正のあと、もう一度標準液に当てて確かめる場面が続きます。片方は少し高めに出て、もう片方は小さめに出ます。動画はそこを「だいたい合っていそう」「これくらいでよしとします」と区切ります。合わせた直後に標準液で当て直すこの一手間があって初めて、その計の数字をどこまで信じられるかが分かります。

校正した計で池を測る: 最後は、校正した計を持って池へ行き、場所を変えながら測ります。値は9.55から9.61で、ならすと9.58ほど。全体に高いと見て、掃除をすると結びます。同じ計でも校正していなければ、この高さが本当かどうか分からないままで、pHは合わせる手間まで含めて初めて値になります。