エアポンプ
空気を送る部品
魚と硝化菌の両方が、酸素を使います。水面の揺れで足りるのは水量が少ないうちで、餌の量と水温が上がるほど送る量が要ります。
何のためのものか
水に空気を押し込み、一つの水を分け合う三者へ酸素を配ります。魚のためだけの部品ではありません——魚が使う酸素、硝化に要る酸素、根が使う酸素が同じ水から同時に引かれます。Khater ら 2021 がナイルティラピアの150 m³水槽で測った値では、魚の呼吸が12.04〜47.53 g/m³・h、生物ろ過が0.45〜23.09 g/m³・hでした。水温が高いほど、また魚が小さいほど大きくなる値です。
選ぶときに見るところ
仕様に出るのは吐出量(L/min)と対応水深の二つです。水は深さ1 mでおよそ9.8 kPaの背圧になるため、同じ一台でも深く沈めるほど出てくる量は落ちます。魚槽とDWC(浮き床の水耕)の両方へ分けるなら、分岐の数だけ余裕を見ておきます。置き場所は水面より高い側が扱いやすく、水面より低い棚に据えるなら、逆流防止弁が要ります。
使いかたと手入れ
ダイヤフラムの振動が台に伝わるので、ゴムを噛ませるか吊るして据えます。空気の取り入れ口は、床の埃を吸い込まない高さまで上げます。一日中動かし続ける部品なので、音が変わったとき、泡の勢いが落ちたときは、膜と弁の傷みを疑います。同じ規格の替えを一台持っておくと、止まった日にそのまま入れ替えられます。
無いとどうなるか
止めると、水面の揺れだけが酸素の入り口になります。先に出るのは明け方だけ酸素が足りないで、水面で口をぱくぱくさせる、えらの動きが速いが続きます。困るのは魚だけではありません——硝化菌も同じ水の酸素を使うので、止まる時間が延びればアンモニアが下がらないへ回ります。水温が高い日ほど、猶予は短くなります。
解説動画: Does Your Aquarium Need an Air Pump? The Complete Answer/Aquarium Genius
要るかどうか: 動画は、ろ過の吐き出しや水流ポンプで水面がすでに揺れているならエアポンプは要らないと切り出します。細かい泡が溶ける面もあるが、いちばん効いているのは泡が水面を割って揺らすほうで、水面が動けば水と空気のあいだで気体が入れ替わり酸素が入ってくる。エアポンプはその揺れを足す道具だという位置づけになります(→気体の出入り(水面と気泡))。
入れない場面: 動画は、二酸化炭素を溶かし込んで水草を育てている水槽では勧めないと言います。水面を割る動きは酸素を入れる一方で、せっかく入れた二酸化炭素を逃がすほうにも働くからです。同じ水面の揺れでも、その水に何を入れておきたいかによって、ありがたい動きにも困った動きにもなるという話です。
泡で水を回す: 逆に向くのは、水槽をいくつも一室で回すような場面だと動画は挙げます。エアストーンにスポンジをかぶせると、泡が上へ水を引き上げる流れが、そのまま水を通すろ過になる。空気を送るだけで水も動かせるので、数を並べるときの安上がりな形として紹介しています(→生物ろ過の担い手)。
選ぶ前に見る: 選ぶ前に見ておくところとして三つ挙がります。振動の音が思ったより大きいこと、分岐の口の数が一つのものから16や32のものまであること、そして送れる空気の量です。音は小さなスポンジを下に敷いて振動を吸わせると減るとも述べ、寝室では夜のあいだ止めていたと自分の使い方を話します。
弁を先に付ける: 据えるときに必ず付けるものとして、動画は逆流防止弁を挙げます。空気のチューブはそのままサイフォンになりうるので、止まった拍子に水槽の水が床へ流れ出しかねない。弁は水面の高さのあたりに入れ、空気は通すが水は戻らない形にしておくこと、と最後に念を押して結びます(→逆流防止弁)。