試験紙の測りかた
測りかた
効く相手: 全部
読めるのは、段のあるところだけです。安くて速い代わりに刻みが粗く、小さな値が効く数字には向きません。
何を表す数字か
紙に染み込ませた試薬の色を、あらかじめ決められた段に当てて読みます。ハワイ大学が調べた型ではpH が 6.2〜8.4 の 0.2 刻み、硝酸は 0・20・40・80・200 mg/L の5段でした(Klinger-Bowen ら 2011)。アンモニアも 0・0.25・0.5・1・3・6 mg/L の6段で、段と段のあいだの値は、はじめから存在しません。
目安の範囲
FAO 技術報告 589 は試験紙を最も安く、そこそこ正確な方法として、液体の試薬と電極のあいだに置いています。いっぽう米国地質調査所の現場手引き(2021年)は、pH 指示紙の読みをその地点の値として記録してはならないと書き、おおよその見当を付ける用途に限っています。同じ紙で前回と比べる使い方なら残ります。
動くと何が起きるか
ハワイ大学の比較では、硝酸は 1・10・100 mg/L の標準をすべて 200 mg/L と読み、総アンモニア態窒素(TAN)もどの標準にも当たりませんでした。いっぽう pH 7.0 の標準は5人が測って全員 6.8 で、ばらつきは小さいのに値がずれるという出方をします。読みが揃うことと、当たっていることは別です。
測りかた
浸す秒数と、色を読む秒数を説明書どおりに。濡れた指でパッドに触れず、出したらすぐ容器を閉めます。紙の色は時間とともに変わるので、読む時刻を過ぎたものは捨てて引き直します。強い光の下と日陰でも見え方が変わるので、読む場所も決めておきます。判断が割れる値は比色試薬の測りかたで測り直します。
誰がどう測った値か
値は Klinger-Bowen ら 2011(ハワイ大学 CTSA)が、市販の標準液と、実際に動いている1系統の水を、5人の測定者で測り比べたものです。調べたのは特定の1型で、すべての試験紙に当てはまる話ではありません。位置づけは FAO 技術報告 589 と、米国地質調査所の現場手引きから取りました。細かい値が要るときは電極の校正と保管へ。
解説動画: コケまみれ水槽の水質チェック!Tetra Test 6in1 #アクアリウム 【ビバアクア】/VIVA AQUA / ビバアクア
一度に六つ読む: 動画で使うのは、紙1枚でpH・炭酸塩硬度・総硬度・亜硝酸塩・硝酸塩・塩素の六つを読む試験紙です。手順は水槽に1秒浸け、水を切って60秒待つだけで、あとはケースに刷られた色の帯と見比べます。視聴者から届いたもので、25回分を縦半分に切って50回分にした、という話も添えられています。
白ならセーフ: 読み取りは上のパッドから順に進みます。硝酸塩と亜硝酸塩はほとんど白で、動画はここを白だからセーフと判断しました。次の緑に染まった段は総硬度で、安全域はゼロではなく4から6のあたりだと帯を見て気づき、ゼロではないけれどこれでいいのか分からない、と戸惑ったまま先へ進みます。
色が読めない段: 続くオリーブ色のパッドは明るいところでは色の見当が付かず、動画は「都合のいいようにOK」と言いながら置きどころを決めます。pHは6.4でいい感じ、ただし何を基準にいい感じなのか分からない、と自分で言い添えます。残留塩素は0.8、少し残っているがこのくらいなら、と読んで終わります。
測って分かったこと: 糸状のコケまみれの30cmキューブ水槽なので水質は悪いだろうと構えていたのに、実際に読めた値は意外とまともな範囲でした。動画は「測って得られる安心感」と言い、これだけコケるのは数字ではなく栄養過多のほうだろうと見立てを切り替えます。水換えでは足りなかったかと振り返り、完全遮光で押さえる方向へ話を進めます。
粗さと引き換えの速さ: 六つの値が1分で並ぶ手軽さと引き換えに、読みは色の帯の段の粗さと、見る光の明るさで揺れます。この動画がしているように、全体の見当を付けて、原因のありかを数字の側か外かに絞るまでなら十分に働きます。値そのもので判断が割れるときは、比色試薬の測りかたで測り直す順になります。