比色試薬の測りかた
測りかた
効く相手: 全部
色は、光と背景で変わって見えます。試薬の量と待ち時間、見る場所をそろえるまでは、前回との差を比べられません。
何を表す数字か
試薬を入れると目当ての成分と反応して色が付き、その濃さを見本の段に当てて読みます。分光光度計が同じ反応の吸光度を数値で返すのに対し、比色は同じ色を目で当てる方式です。返ってくるのは反応した分の量で、アンモニアなら総アンモニア態窒素(TAN)という合計の形で出ます。窒素として測った値か、イオンの重さとして測った値かで硝酸態窒素(NO₃-N)は4倍以上ちがうので、表示の単位を先に確かめます。
目安の範囲
FAO の手引きにある型は、5 ミリリットルの水に試薬を5〜10 滴、1項目あたり5分以内で読み終わります。養殖用のキットでは発色に20分ほどかかった例もあります(Klinger-Bowen ら 2011)。上限は項目ごとに決まっていて、アンモニアは 5 mg/L 前後で頭打ちの型が多く、そこを超えた水は薄めてから測ることになります。
動くと何が起きるか
頭打ちになった色を「その値」として記録すると、実際は数倍あっても気づけません。試料1に精製水4を足して測り、結果を5倍すると、上限の外側が見えます。逆に低い側は段が粗く、わずかに出ている分がゼロと読まれます。立ち上げの途中で上がる亜硝酸態窒素(NO₂-N)の山は、そこで見落とされやすいところです。
測りかた
滴数と振る時間、発色を待つ時間を毎回そろえます。米国環境保護庁の手引きは、光源と見本の位置関係を毎回同じにするよう求め、ここを変えると大きな誤差になると書いています。同じ検体をもう一人に読ませると、目の癖が分かります。水は採水のしかたで決めた定点から汲み、期限の切れた試薬は使いません。
誰がどう測った値か
手順の数字は FAO 技術報告 589(2014年・小規模アクアポニックスの手引き)、色の読み方の注意は米国環境保護庁の市民モニタリング手引き(1997年)から取りました。上限と薄め方は Klinger-Bowen ら 2011(ハワイ大学 CTSA)が市販の標準液で4通りの方法を比べた資料によります。いずれも淡水で、家庭から小規模までを想定した話です。
解説動画: 水槽の水質検査!sera アンモニアテスト&テトラテストpH試薬の使い方&実際の水槽で水質チェック! #アクアリウム 【ビバアクア】/VIVA AQUA / ビバアクア
単体では読めない: 動画は比色式のアンモニア試薬を開き、この試薬だけでは結果が出せないと最初に言います。出た色をpHの測定値と表で突き合わせて、はじめて水槽のアンモニアがどれだけかが分かる作りだからです。水換えを続けていれば外へ出ていくので、使うのは立ち上げのころが主だとも言い添えます。
滴数と待ち時間: 手順は、飼育水10ミリリットルに三本の試薬を6滴ずつ入れ、そのつど軽く振り、5分待って色が落ち着いてから見本に当てる、という順です。淡水は表の上段を読みます。pHのほうは5ミリリットルに7滴で、振ってから色比較に照らす。滴数と待ち時間は毎回そろえる形になっています。
水は外で汲む: 試験管を水槽へ直接入れないよう動画は言います。アンモニア試薬は劇物で、混ざれば生き物に悪影響があるからで、シリンジで飼育水を吸い出してから測る形にしています(採水のしかた)。次の水槽へ移る前には試薬を捨て、試験管も水道水でよくすすいでおくと言い、水槽ごとに同じ手順をくり返します。
実際に読んでみる: 三つの水槽で測ります。水草の水槽はpH7でアンモニアは0 mg/L、蓋をして放置していた小型水槽も0でしたがpH8まで上がり、三日前に水を換えたベタの水槽だけ色が薄い緑に寄って0.5 mg/Lと読めました。ゼロばかり続いたので、試薬のほうが働いていないのではと不安になったとも言います。
色は表と合わせて: 最後にその0.5を表に当てます。pH7.5の行では0.009 mg/Lとなり、無害の欄に入りました。pHが7なら仮に1 mg/Lでも無害の判定になるとも読み上げ、試薬の色だけでは害の度合いは決まらないことを示します。アンモニアを測るときはpHの試薬も一緒に用意しておくよう結びます。