新水槽症候群

立ち上げと安定

立ち上がっていない水では、アンモニアと亜硝酸が順に山を作ります。ろ過が追いつくまでの一時の形ですが、その間に魚へ害が出る濃度まで上がります。

何が何に変わるか

魚を先に入れた水で起きることです。餌からアンモニアへの道だけが動き、受け取る菌がまだ膜になっていないので、アンモニアが最初の山をつくり、酸化が始まると今度は亜硝酸が後ろの山をつくります。魚自身が窒素源であり続けるため、待つあいだも負荷は積み上がります。FAO 589 は、この形で立ち上げるとフィッシュレスサイクリングより時間がかかると書いています。

どこで起きているか

足りていないのは、まだ埋まっていない生物ろ材の表面です。菌の数が窒素の量に追いつかないぶんが水に残り、魚のえらへ回ります。FAO 589 はこれを、生物ろ過が未熟な新しい水槽でアンモニアと亜硝酸が溜まり、魚が弱る状態と説明しています。同じ総量でも非イオン性アンモニア(NH₃)の割合はpHと水温で変わるので、効き方は水の条件しだいです。

速さを決めるもの

山の高さと速さを決めるのは、入れた魚の量と餌の量、そして水温です。FAO 589 は、魚を入れて立ち上げるなら1 kg/m³以下という低い密度を勧めています。膜ができるまでの時間そのものは魚がいてもいなくても変わらず、週の単位で数えることになります。餌を増やせば、そのぶん山が高くなるだけです。

止まるとどうなるか

溜まるのは総アンモニア態窒素(TAN)、遅れて亜硝酸態窒素(NO₂-N)で、亜硝酸が跳ね上がったという形で数字に出ます。ここでできるのは餌を減らす・水を替える・待つまでで、FAO 589 も2〜5割の水替えと給餌を止めることを挙げています。魚を減らす判断をしたときも、飼えなくなった魚を野外に放さない(外来生物法・水産資源保護法)。

解説動画: アンモニアの毒性はpH・水温で変わる!?水槽立ち上げ初期に危険なアンモニアについて解説★めだかを飼育し始めて、死んでいく原因かも?/Hiro's Aquarium

最初にぶつかる壁: 動画は、フン・食べ残し・枯れた水草・死骸が分解されるとき最初に出てくる物質がアンモニアだと説明します(餌からアンモニアへ)。魚はえらからも代謝で出し続けます。自然の水では硝化菌がすぐ分解し、水量が多くて薄まるので問題になりにくく、閉じた水槽だからこそ溜まると分けて話します。

効き方はpH次第: 濃い状態では平衡感覚が狂い、酸素の消費が増え、昏睡から死につながると述べます。薄くても成長の遅れやふ化率の低下、えらの組織への影響が出る。目安は0.03 mg/L前後から。水に溶けたアンモニアは二つの形をとり、非イオン性アンモニア(NH₃)の側がpHと水温の高いほど増えると説明します。

3匹でも24時間: 実例として、30cmキューブ(水量およそ25L)に水温23℃でメダカ3匹という立ち上げを挙げます。24時間後にはもう目安の0.03 mg/Lを超えたと述べ、寂しく感じる数でもそうなると言う。使った水道水のpHが8ほどあった地域なので、最初の1週間は毎日、半分か3分の1の水換えを続けたそうです。

先に減らす手: 減らし方は四つ挙がります。水換えで薄めるのがいちばん単純で、次にゼオライトのように吸着する材を使う。入れる数を減らす——同じ10Lでも10匹と1匹なら出るアンモニアの量が10倍違う。そして餌を控える。最初の2〜3日は与えなくてよく、食べ残しがそのまま次のアンモニアになると言います。

待ちながら整える: エアレーションを効かせて硝化菌が増えやすい水にし、サイクルが早くできるよう促すのが締めです。水温を下げるのは季節にも魚にも無理が出るので、pHを下げるほうが毒性を弱める手として効くと述べます。アンモニアは悪者に見えるがそれが無ければ菌の餌も無いとも付け加え、アンモニアが下がらないの入口にあたる話です。