根毛の量
根の見た目
根毛は、根が水と養分に触れる面積を大きくする細い毛です。根に光が当たると密度が下がったという実測があり、部屋の遮光は根の見た目に効きます。
何が起きているか
根毛は表皮の細胞が外へ伸びた細い毛で、根が水と養分に触れる面積を広げます。噴霧では根が空気の中にあるため、湿った空気へ伸びた根毛が霧の粒を受け止める面になります。根のまわりの動かない層はこの毛の林の中にでき、養分が根に入るまでの道のりはそこを通ります。毛の一本一本は細く、数日で入れ替わっていきます。
何が効いているか
密度を動かす条件のうち、噴霧で実測があるのは光です。チャンバーの根に弱い光を当てただけで密度が下がりました(Paponov ら 2023)。ほかに厚くなった水の膜に沈んだ区間、乾きすぎた区間、根のまわりのECが高い区間でも見え方が変わりますが、噴霧で条件ごとに数えた資料は見当たりません。
目で見て分かること
霧の直後に、白い根の表面がうっすら毛羽立って見えるかを確かめます。黒い紙を後ろに置くと輪郭が読めます。乾くと毛はつぶれて見えなくなるので、見えないことを無いことの証拠にはできません。毛ばかりが目立って本体が伸びないときは根毛ばかりが増える、根が短いままなら根が短いまま伸びないを見ます。
どこまで確かめられているか
実測は Paponov ら 2023(Frontiers in Plant Science)の噴霧栽培の実験です。Artemisia annua では青と赤の光が根毛密度を対照より約30%下げ、Hypericum perforatum では白い光が最も強く下げました(PAR 1.5〜19.3 µmol m⁻² s⁻¹、14〜19日連続、n=4)。地上部の生育は変わらず、下がること自体の良し悪しは測られていません。
解説動画: Root Hair Cells - GCSE Biology/Launchpad Learning
根毛のありか: 動画は、根毛細胞は根の中でも木部のすぐ近くにある細胞だと置きます。株の足もとの根をよく見ると、表面が細かい毛におおわれていて、その毛の一本一本が根毛細胞そのものです。水と無機イオンをたくさん取り込むためのつくりをいくつも備えた細胞だと紹介して、そのつくりを順に見ていきます。
面積を大きくする: 一つ目のつくりは形です。細い毛が外へ突き出していることで、水が入ってこられる表面積が大きく広がると説明します。面積が広がったぶん入ってくる水と無機物の量が増えるので、根毛は取り込みの量そのものを押し上げている——動画は図で毛の広がりを見せながら、この一点を繰り返します。
ミトコンドリアが多い: 二つ目は細胞の中身で、根毛細胞はミトコンドリアを多く持つと述べます。ミトコンドリアは細胞のはたらきにエネルギーを渡す器官で、ここでは無機イオンを能動輸送で取り込むぶんに使われます。能動輸送そのものは別の回で扱うと断りつつ、取り込みが力の要る仕事だから数がある、と説明します。
大きな液胞がある: 三つ目は大きな永続的な液胞で、図では大きなベージュの塊として描かれます。液胞があることで浸透による水の動きが速くなると述べます。細胞へ水が速く入れば、そこから先へ渡すのも速くなる——形・エネルギー・液胞の三つがそろって一つの役目になっている、という組み立てです。
木部へ渡すまで: 最後に、根毛細胞が木部のそばに置かれていることが効いてくると結びます。取り込んだ水とイオンは、根毛細胞から木部へ、そこから株の残りへ運ばれていくからです。動画は毛・ミトコンドリア・液胞の三つとしてまとめ直して終わり、力の要る取り込みの側は養分が根に入るまでで別に扱います。