休憩の入れ方
間隔の目安と、休憩でやること。
休憩は、眠気を感じてから入れるのでは遅いです。長距離を走るときは「少なくとも2時間に1回」休憩できるよう、余裕のある行程を先に組んでおくとよいとされています(JAFのQ&A)。疲れを感じる前に休むことが目安で、14時前後は体内時計の影響で眠気が強くなる傾向があるため、その時間帯にかかる行程では手前にもう1回休憩を足しておくと安心です。冷たい空気を入れる・カーラジオをつけるといった対策で眠気をしのげるのは一時的で、眠気が強い段階に入ったら運転をやめて休むことだけが安全な対策になります(1999年のレビュー、ラフバラ大学のHorne and Reyner)。
休憩は車を停めるだけでは終わりません。車外に出て新鮮な空気を吸い、体を軽く動かして血の流れを促すことがすすめられています(JAFのQ&A)。眠気を感じているなら、座ったまま体を動かすだけの休憩より、横になる仮眠のほうが眠気そのものを下げます。模擬運転を2時間走ったあとに15分の仮眠か15分の活動的な休憩をとらせた実験では、仮眠は脳波で測った眠気と自分で感じる眠気の両方が下がりましたが、活動的な休憩は脳波の眠気が下がらずのちに増え、自分で感じる眠気だけがすぐ下がりました(2014年、Watling・Smith・Horswillのシミュレータ実験)。感じ方だけ先に軽くなると「もう大丈夫」と思い込みやすいので、眠気を感じた休憩では軽い運動で済ませず、短い仮眠を優先します。
仮眠の長さは20分程度(JAFのQ&A)、別のJAFのQ&Aでは15〜30分と案内されています。深く眠ると起きるまでに時間がかかるため、短い時間にとどめるのがどちらの案内でも共通です。カフェインは仮眠の直前にとると、飲んでから15分ほどで効き始め、20分前後の仮眠と組み合わせると相乗効果が見込めるとされています(JAFのQ&A)。ガムや昆布を噛むと脳の血のめぐりがよくなり、覚醒の落ち込みを一時的に抑えられるとも言われています(同)。
止まる場所は、高速道路ならSA・PAの違いを知っておくと選びやすいです。PAはおよそ15kmごと、SAはおよそ50kmごとに置かれるのが目安ですが、路線の特徴で前後します。トイレはすべてのPAにありますが、レストランやガソリンスタンドの無いSAもあります(NEXCO東日本の案内)。サービスエリアグルメめぐりのように立ち寄り先を先に決めておくと、休憩のたびに探す手間が減ります。一般道なら道の駅が24時間使える休憩施設で、車内での仮眠は認められていますが、駐車場での宿泊(車中泊)は基本的に控えるよう求められています。宿泊用の区画を別に設けている駅もあるので、車中泊を楽しむことを考えるなら各駅のホームページで確かめます。道の駅めぐりのように休憩のたびに違う駅へ立ち寄る形にしておくと、休憩そのものが目的地の一つになります。
休憩と事故の少なさの関わりは、業務運転の記録でも見えています。米国の長距離トラック運送会社2社の2009〜2010年の運行データを解析した研究では、休憩を1回・2回・3回とった運転者は、1回も取らなかった運転者と比べて事故のオッズがそれぞれ68%・83%・85%低いという結果でした(観察研究、2014年、Chen and Xie)。3回目の休憩で増える差は小さく、休憩を増やすほど差が大きくなるとは言えません。観察研究のうえ、トラックの業務運転の記録なので乗用車のドライブとそのまま重ねられませんが、休憩を後回しにしない理由として使える数字です。
初めてのドライブでやりがちな失敗は、眠気を感じてから休憩先を探し始めることと、休憩を「トイレだけ」で済ませて車外に出ないことです。14時前後のように眠気が強まりやすい時間帯に走るなら、その手前に休憩を1回多く入れておくと、探す手間と眠気を同時に減らせます。
この節に出てくる図鑑の項目
出典
- 高速道路での居眠り運転を防止するための対策とは?
- 居眠り運転を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
- サービスエリアとパーキングエリアの違いって何?
- 道の相談室:休憩施設「道の駅」
- Vehicle accidents related to sleep: a review
- Stop and revive? The effectiveness of nap and active rest breaks for reducing driver sleepiness
- Modeling the safety impacts of driving hours and rest breaks on truck drivers considering time-dependent covariates
