ブロッケン現象
影として見えるもの
探す位置: 自分の影の先
自分の影のまわりに、色のついた輪が重なります。霧や雲の水滴に当たった光が元の向きへ戻ってできる輪で、グローリー(光輪)と呼ばれます。
どう見えるか
霧や雲の面に映った自分の影が、ぼやけた輪郭で立ち上がります。頭のあたりを中心に色のついた輪が一重から数重かかり、光環と同じく内側が青むらさき、外側が赤の順に並びます。影が不釣り合いに大きく見えるのは、近い霧に映った影を、大きさのあてが無いまま見ているためで、WMO 国際雲図帳は遠近でゆがんだこの影を「Brocken spectre」と呼んでいます。
空のどこを探すか(太陽からの角度・太陽高度)
太陽を背にして立ち、自分の影が指す先を見ます。輪の中心は対日点にあたり、影の頭がそのまま中心になります。WMO 国際雲図帳は、対日点は地平線の下にあるので、日の出・日の入りのころを除けば、山や斜面、航空機から霧や雲を見下ろす向きで見ることになると書いています。太陽高度が低いほど、影は遠くまで伸びます。背にした太陽を直接見ない、双眼鏡を太陽に向けないことを守ります。
なぜそこに出るか
輪を作るのは、水滴に当たって元の向きへ戻ってくる光です。WMO 国際雲図帳は光の回折によるものとし、色の並びは光環と同じだと書いています。戻る向きは散乱角180度の付近、つまり太陽の正反対なので、輪は影の頭を囲む位置にしか出ません。Laven 2005 は、水滴の中で1回反射した光が生む二つの表面波の干渉として、この戻り光を説明しました。
似た現象との分け方
取り違えやすいのは霧虹で、大きさが分かれ目です。霧虹は主虹と同じ位置に立つ視半径40度前後の大きな弧で、WMO 国際雲図帳は外側に薄い赤、内側に薄い青の縁を持つ白い帯と説明しています。ブロッケン現象の輪はずっと小さく、光環の内側のひと組(直径でおよそ5度以下、WMO 国際雲図帳)と同じ大きさの範囲です。影が映っていなければ、この名では呼びません。
出ているとき空に何があるか
足もとや向かいの斜面に霧や雲海があり、背中の側では日が差しているという組み合わせのときに出ます。映す面になるのは地面に接した層雲や、谷を埋めた霧です。山の稜線・展望台・航空機の窓から見えることが多く、影を追ううちに柵の外や崖の縁へ寄りやすいので、足もとの切れていない場所に立って見ます。