飛行機雲
特別な雲
高さ: 上層(5〜13km)
エンジンの排気からできる、氷の粒の雲です。WMO 国際雲図帳2017年版は10分以上続いたものを巻雲ホモゲニタスと呼び、人の活動が作った雲に数えています。
どう見えるか
機体から翼幅ほど後ろに離れたところで、白い線が生まれます。線ははじめ細く縁がくっきりしていて、やがてほどけて幅を持ちます。米国環境保護庁ら 2000 は、持続するものが幅数km、厚さ200〜400mまで広がり、数時間残ることがあると記しています。何本も交差すると、空が格子模様に見えます。
どこにできるか(高さ・どの雲に付くか)
出る高さは航空機の巡航高度で、米国環境保護庁ら 2000 は高度35,100フィート(10.7km)を巡航する機の例を挙げています。気象庁『気象観測の手引き』の上層(5〜13km)とほぼ重なり、巻雲と同じ棚に並びます。ほかの雲に付く副変種とは違い、飛んだ経路そのものが雲の形になるのがこの雲の立ち位置です。
なぜその形になるか
米国環境保護庁ら 2000 によれば、排気が周りの空気と混ざって冷えるとき、液体の水が凝結できるところまで湿度が上がると粒ができます。排気のうち要るのは水蒸気と、水滴の芯になる粒子だけで、芯は大気にもともとある粒でもかまいません。できた水滴は低温の中ですぐ凍って氷の粒になり、光を散らして白く見えます。
似た雲との分け方
分かれ目は周りの空気の湿り具合です。乾いていれば線は短く終わり、湿っていれば残って広がります。広がったものを WMO 国際雲図帳はホモムタタスと呼び、自然の巻雲状の雲の見た目になるとしています。この段階では巻雲と紛れるので、直線であること、端が機体の進んだ向きへ伸びていることが手がかりです。
この雲が出ている空で起きていること
上層に水蒸気が余っているか乾いているかが、線の残り方に出ています。米国環境保護庁ら 2000 は、持続する飛行機雲の水の大部分が排気ではなく飛行経路上の大気にもともとある水だと述べています。線が残る空は上層が湿り、消える空は乾いています。ここから先の受け取り方は飛行機雲が消えないと雨に譲ります。