気圧の谷
線と面
中心を持たない、気圧の低いところの筋です。気象庁『予報用語』は「高圧部と高圧部の間の気圧の低いところ」と定義し、閉じた等圧線に囲まれた低気圧とは別のものとして扱っています。
何を表した線・記号か
高圧部と高圧部の間に横たわる、気圧の低い帯です。気象庁『予報用語』の定義は「高圧部と高圧部の間の気圧の低いところ」で、閉じた等圧線に囲まれた中心を持たないところが低気圧との分かれ目になります。対になる言い方が気圧の尾根で、同じ用語集は「低圧部と低圧部の間の気圧が高い部分の稜線」としています。谷も尾根も、線の形に付けられた呼び名です。
図のどこを見るか
線が折れて張り出しているところを追います。地上天気図では等圧線が、高層天気図では等高度線が、低い側から高い側へ凸に張り出した折れ目をつくり、その折れ目を結んだ筋が谷にあたります。図によっては線や記号で示されないため、形そのものから読み取ることになります。同じ時刻の図でも、地上と上空とで谷の位置がずれて描かれることがあります。
読み違えやすいところ
低気圧と同じものだと読んでしまうのが最初のつまずきです。低気圧は閉じた等圧線に囲まれた中心を持ち、高気圧と低気圧の記号が置かれますが、谷には中心も記号もありません。二つめは、谷を示す線が図に引かれているとは限らないところです。三つめは向きで、高い側へ凸に張り出した折れ目として現れる点が、名前の印象と逆に見えます。
どの天気図に載っているか
地上天気図と高層天気図の両方で読めます。地上では等圧線の折れ目として、上空では等高度線の折れ目として現れ、同じ日の図でも面ごとに位置が変わります。気象庁の高層天気図の説明では、500hPaの面が上空の流れの波を見る面として挙げられています。過去の観測では谷の東側で雲が湧きやすい傾向が整理されてきましたが、図から読めるのは形と位置までです。