食品・化粧品の無許可販売
売り方の罠
手づくり品を売る前に要る許可と表示
どんな手口?
手づくりの菓子やジャム、石けんや化粧水などを、許可や届出のないまま売ってしまう形です。営業許可を取った施設で作ることや、化粧品なら製造販売業の許可が要る場合があり、自宅の台所のままでは通らないことが多くなります。原材料やアレルゲンの表示にも決まりがあり、無償で配るのと売るのとでは扱いが変わります。
見分け方のサイン
「少量なら大丈夫」「趣味の範囲だから許可は要らない」と教えられたら要注意です。出店の主催者から許可証の提示を求められない、作り方だけをSNSで教わってそのまま販売をすすめられる、化粧品を手づくりコスメと呼び替える。呼び名を変えても、規制の対象になるかどうかは中身と売り方で決まります。
こうなったらどうするか
売る前に、保健所へ品目と作る場所を伝えて相談します。菓子やジャムは営業許可と施設の基準、化粧品は別の許可という具合に道筋が違います。許可が難しければ、許可を持つ工房へ製造を委託する手や、ハンドメイド販売として雑貨側へ寄せる選び方もあります。表示の決まりを含め、要件は改正されると考えてください。
相談先
食品は各自治体の保健所、化粧品や医薬部外品は都道府県の薬務主管課と厚生労働省の案内が確認先です。表示の考え方は消費者庁が示しています。買った人の体調不良につながったときは、すぐ連絡を取って保健所へ届け、相手には消費者ホットライン188の相談先も伝えてください。
解説動画: 自宅で作ったお菓子を販売しても良い?営業許可のことと自宅で商品作りをする時の注意点。/須藤銀雅 Ginga suto Chocolatier
許可は人ではなく施設につく: 手づくり食品の販売のうち自宅で作ったお菓子を売る場合、菓子製造業の営業許可がいる。この許可は人ではなく建物・施設に対して下りるのがポイント。作る場所に手洗い場所と二槽シンク、水拭きできるタイルなど掃除しやすい床と壁、100ルクス以上の明るさ、換気扇——これがおおまかな施設の基準になる。
細かい基準は自治体で変わる: シンクがいくつ必要かといった細部は自治体によって変わるので、許可を取りたい場所を管轄する保健所に問い合わせるのが早い。設備を保健所の言うとおりに用意できれば、手間とお金はかかるが始めること自体は誰でもできる、という位置づけで話している。
食品衛生責任者もセットで: 施設の許可に加えて、食品衛生責任者の資格を持つ人が施設に1人必要になる。各自治体が定期的に開く講習会に費用を払えば誰でも参加でき、だいたい1日受けて簡単なテストを通れば取れる。建物が基準を満たしても働く人に衛生の知識がなければ意味がないので、二つが揃って初めて売れる。
生活空間で作る難しさ: 自宅の一部を許可の下りる施設にするのはハードルが高く、製造専用の場所を確保する話になる。施設基準には入っていないが、普段の生活空間でそのまま作業すると服のホコリや髪の毛が入りうるので、作業着を別に用意し、作業前にコロコロをかける程度は最低限だとしている。
見落としがちな匂い移り: 器具と保管場所からの匂い移りが抜けやすい落とし穴。生クリームを温める鍋が普段の料理と兼用だと、洗っても香りが残って製品に入る。冷蔵庫も香りの強い野菜や魚と一緒だと移る。自分では気づかず他人が食べて気づく類なので、菓子専用の器具と保管場所を用意すると安定する。