相場から外れた低単価
仕事の現場
時給に直すと割に合わなくなる案件
どんな手口?
作業量に対して報酬が極端に低い仕事です。1文字0.1〜0.3円の記事や1本数百円の動画編集は、調べ物と修正まで数えると時給換算で数百円にしかなりません。未経験者を大量に集めて回す設計で、単価が上がる前に消耗して辞める人がいることを、あらかじめ織り込んでいます。
見分け方のサイン
「初回はテストなので無料で」という条件、「継続すれば単価を上げます」という口約束、報酬より応募のしやすさばかりが並ぶ募集文。想定の作業時間が書かれていない、修正回数に上限がない、納品物の二次利用範囲だけが広い。こうした条件は単独ではなく、まとめて現れるのが特徴です。
こうなったらどうするか
受ける前に所要時間で割って時給に直すことです。単価の決め方で自分の下限を決めておけば、募集を見た時点で判断できます。実績が要る時期は数件だけと期限を切り、それを超えたら値上げか撤退を選びます。断る一文を用意しておくと迷いません。惰性で続けると、次を探す余力まで失います。
相談先
単価の低さそのものは違法とは限らず、当事者の合意が原則です。ただし時間や進め方まで細かく指示され、実質は雇用に近い働き方になっているなら、労働者として扱われる場合があり、相談先は労働基準監督署です。事業者間で著しく低い報酬を押し付けられたなら国のフリーランス相談窓口へ。執筆時点の制度に基づく話で、改正はありえます。
解説動画: ご存知でしたか?個人事業者・フリーランス(下請事業者)などを守る強力な法律【下請法 ※取適法】/ほらっちチャンネル
買いたたきは禁止行為: 「うちも厳しいからこれでやって」と発注側が押しつける不当な値引きを、動画は買いたたきと呼び、下請代金支払遅延等防止法(下請法)が禁じる行為として挙げる。受領拒否、支払遅延、代金の減額、返品、公取委に訴えた相手への報復措置も同じく禁止だと並べている。
使えるかは相手の資本金で決まる: 対象かどうかは発注側の規模で決まる。見分け方として、発注者の資本金が1000万円超なら下請法の対象になりうる、と示している。個人事業主やフリーランスにはそもそも資本金の話が無いので、確かめるのは相手側だけでよい、という整理だ。まず相手のホームページで資本金を確かめるという手順を勧めている。
支払期日と遅延利息14.6%: 発注側の義務を4つに整理している。発注時に書面を直ちに交付すること——「速やかに」でも「できるだけ早く」でもなく直ちに、と語気を強める。発注書面の保存、支払期日を納品や役務の提供から60日以内でできる限り短く定めること、遅れたら年率14.6%の遅延利息を払うこと。この利息を請求できると知らない人が多いという。
違反は社名ごと公表される: 公取委は毎年、取引が公正に行われているかを書面調査で確かめ、返ってきた回答が食い違えば立ち入り検査に入る。違反すれば勧告のうえ企業名と違反事実が公表され、罰金は最高50万円。ただし効くのは罰金より社会的信用の失墜で、取引停止や入札、採用にまで響くと説明する。
発注側も知らないことが多い: 実務で指摘すると「そんな法律があるんですか」と返ってくる発注担当者が現実に多い、と話す。だから知識を最後のカードとして懐に持っておけ、という立て付けの動画になっている。相談先には公正取引委員会の窓口と、よろず相談を受ける下請かけこみ寺を挙げている。