手づくり食品の販売

売る・仕入れる

焼き菓子や加工品を作って売る、許可の要る形

どんな仕事?

焼き菓子やジャム、パンといった加工食品を作って売ります。ほかの物販と決定的に違うのは、営業の許可や届出が求められる点です。作る場所も、家族が使う台所とは分けた設備を求められる場合が多く、思いつきでは始められません。相談の入口は住んでいる地域の保健所になります。

仕事の流れ

はじめに保健所へ相談し、許可の種類と設備の基準を確認します。設備を整えて検査を受け、許可が出てから製造します。包装した食品には原材料やアレルギー、期限などの表示が要ります。売り先はイベント出店、通販、店への卸などで、売り方ごとに条件が変わります。

単価と収入の目安

焼き菓子は1袋300〜800円、贈答向けの箱で2000〜4000円という価格帯が多く、材料費と包装費だけで3〜4割が消えます。設備にかけたお金を取り戻すまでは時間がかかり、1年以上赤字という例もあります。設備にどこまでお金を入れるかが、この副業の分かれ目です。数字はいずれも執筆時点の目安です。

最初の1件までにやること

作りたいものが決まったら、真っ先に保健所へ相談します。許可の種類が決まらないと、必要な設備も置き場所も決まらないためです。並行して、材料費と包装費を1個あたりで計算します。許可のないまま売ると食品・化粧品の無許可販売の問題になり、後から取り返しがつきません。

向かない人・つまずくところ

衛生管理の記録や期限の設定は、作る楽しさとは別の作業です。夏場の配送では品質の劣化が起こり、事故になれば個人が責任を負います。体調を崩した日は作れないため、予約を受けたのに作れない事態も起きます。許可や表示の要件は改正されるので、最新の案内で確かめてください。

解説動画: 【申請忘れてませんか?】意外と知らない食品営業申請の解説/オンラインHACCP教室/オンラインHACCP教室

許可・届出・対象外の三段: 食品を扱う営業は許可業種・届出業種・対象外業種に分かれ、分け方の物差しは食中毒のリスクの大きさだと説明する。畑や漁から食卓へ近づくほどリスクが上がるという見方で、高い業種は設備基準と責任者の設置を条件に許可、中くらいなら設備要件のない届出、低ければどちらも不要という並びになっている。

許可は禁止を解く行政行為: 営業許可は権利をもらうものではなく、公衆衛生への影響が大きい営業を原則禁止にし、条件を満たす場合だけ解除する仕組みだと言う。だから保健所はこのまま任せて食中毒が起きないかという目で見てくる。設備基準も衛生管理の計画も、事故を防ぐための条件として求められていると整理している。

通販・訪問販売も届出が要る: 許可でも対象外でもない営業はすべて届出というつくりなので、自分で作らないから要らないと思い込み、届出が漏れている例が多いと注意する。挙げているのは通信販売や訪問販売による販売業、自動販売機での販売など。対象外は輸入業や、常温で長く置いても劣化のおそれがない包装食品の販売といった範囲。

一施設一許可で範囲が広がった: およそ五十年ぶりの見直しで許可業種は三十二業種に整理され、施設基準も共通・業種別・特別の三層になった。あわせて一施設一許可の原則になり、菓子製造業の許可で惣菜パンまで作れるなど一つの許可で扱える範囲が広がっている。原材料や工程が近い業種も統合され、パン製造業は菓子製造業に含まれた。

自分の業種を確かめる手順: 取るべき行動は業種を確認してから申請することだと示し、申請は窓口でもオンラインでもできるとしている。相談先は保健所のほか、地域の食品衛生協会も乗ってくれるという。届出をしないまま売っている場合も、業種によっては経過措置があるので今からでも間に合うと促している。