サイドプロジェクト

働き方の言葉

サイドプロジェクトは、稼ぎを主目的にしない自分の制作。

どういう意味?

収入を第一に置かず、自分の関心で続ける制作や活動を指します。副業と重なる部分はありますが、売れなくても成立する点が違い、続けた結果として仕事や実績につながることがあります。何年も動かないまま置かれることも普通です。カナダの社会学者ロバート・ステビンズは、こうした単発で完結する創造的な取り組みを「プロジェクト型レジャー」と呼び、長く打ち込んで技能を積み上げていく「本気の余暇」とは別の型として整理しました。

どこで出てくるか

開発や創作の話題でよく使われます。自作アプリのストア公開や個人の作品づくりがこれにあたり、後から実績のつくり方として語られる場面もあります。日本の大学教員が自作アプリの運用実績を検証した2025年の論文では、1.5年間で約211.5時間・約25万円をかけた個人開発アプリでも、広告収入は月平均8千円前後にとどまり、費用の回収に2〜3年かかったと報告されています。面接や商談で何を作ってきたかを聞かれたときに、答えの中身になることもあります。

使うときの注意

稼ぐ目的と混ぜるとどちらも中途半端になりやすいので、お金の計算は分けておくほうが続きます。前述の論文も、生活の土台になる仕事を保ったまま、サイドプロジェクトは回収に数年かかる投資的な活動と割り切って続ける道を勧めています。無償の活動でも、会社の設備や情報を持ち出すのは別の問題で、本業の情報の持ち出しにあたります。収益が出たら申告の対象になり得ます。

出典

  1. 論文・英語 Robert A. Stebbins(カルガリー大学)(2004) Project-based leisure: theoretical neglect of a common use of free time
  2. 論文 増田宗嶺(宝塚大学)(2025) 個人開発アプリにおける収益性と持続可能性の検討 ―スマートフォンアプリ「Motor Pitch Analyzer」の1.5年間にわたる運用実績と工数の実証的分析―

解説動画: 個人開発で僕だったら避けるテーマ8選/入江慎吾 / アプリ開発FIRE

避ける題材を先に挙げる: これまで40個以上のサービスやアプリを作り、当たったのは3件ほどだと明かしたうえで、自分なら避ける題材を並べていきます。ひとつ目が他社のAPIに乗せた作り。仕様変更や有料化に振り回され、自作アプリのストア公開では直して審査に出している間だけ止まる時間が生まれたと振り返ります。

預かるものを増やさない: 次に挙がるのが個人情報を自前で抱えること。名前も住所もカードも、漏れれば売上では賄えない賠償につながるため、本人確認は決済サービス側の仕組みへ逃がしたと話します。お金がサービスの中に残り続ける形も資金決済法に触れうるので、一定期間で払い出す運用にしていたそうです。

ひとりには重い座組み: データが積み上がるサービスは保管と転送の費用が上がり続け、動画や画像のような重いものほど効いてきます。マッチングは作ることと集めることを同時に進める必要があり、人が集まらなければ価値が生まれません。規制の多い業界や大手と同じ市場も避け、標準機能に取り込まれた小さなアプリのその後を例に出します。

続くのは自分の困りごと: うまくいっている例に共通するのは、作り手自身の課題から生まれていることだと言います。ただで描いてと頼まれる文化への違和感、自分が使いたいノートアプリが見つからないこと、自分ならこう作るという記事投稿の形。出発点はどれもその人にしかない着眼点だったと挙げます。

売れなくても続く題材: 最後に、避けると言った8つに重なっていても、自分が作りたいものならしょうがないと言い添えます。誰かの求めに応えるより自分が欲しいと信じたもののほうが強く、うまくいかなくても続けられる題材になる、と結びます。避け方から入って、最後は何を作りたいかへ戻る組み立てです。