もちもち
テクスチャー
「もちもち」は、炊いた米の粘りの強さを指す言い方です。
言われていること
売り場の案内や品種の紹介で、もちもちしているという一語が食感の良さとして置かれます。ミルキークイーンのようなアミロースの少ない品種に添えられることが多く、低アミロース米はもちもちしておいしいという説とも重なります。粘りが強いほど良いもの、という並べ方も一緒に出てきます。家庭では、炊き上がりの手ごたえを言い表す言葉としても使われます。
測るとどうか
農林水産省は、アミロース含量が高いほど米飯が硬く、粘りが少なくなると書いています。日本の一般的な米は約20%、インディカ米は30〜35%で、もち米はほとんど含みません。Alam ら 2024 は良食味に適した含量域を14〜20%とし、Wx 遺伝子が量を決めると整理しました。粘りと硬さは、テンシプレッサーのような装置が数字にします。
誰が・何を・どう測ったか
アミロースと粘りの関係は農林水産省の解説、適した含量域は Alam ら 2024 の総説によります。どちらも測っているのは成分の量で、もちもちという言葉そのものではありません。粘りと硬さはテンシプレッサーのような装置が数字にし、人の側は食味官能試験が外観・味・香り・硬さ・粘りなどの項目で採ります。測る軸は、器械と人の二つに分かれています。
だからどうする
粘りの強さを言っている語として読みます。同じ「もちもち」でも、粘りの話か、噛んだときの弾力の話かで指す先が変わります。無洗米や炊き方でも粘りは動くので、品種だけの性質とは限りません。米を選ぶときは、アミロースの量が書かれているかを先に見て、言葉の強さでは比べません。弁当のように冷めてから食べる場面では、老化(β化)の進み方も一緒に見ます。
まだ分かっていないこと
どの粘りの強さを「もちもち」と呼ぶかの線は引かれていません。早川ら 2025 はテクスチャーの言葉を35語に整理しましたが、言葉ごとの強さを装置の値と結んだ対応表までは確認できていません。アミロースの量と、人が答える粘りの点数がどこまで一致するのかも、公開された比較は見当たりません。炊き方の違いを含めた比較も、まだ数字になっていません。
出典
- 公的機関 農林水産省 米の食味の理化学評価
- 論文・英語 Alam M, Lou G, Abbas W ほか(Rice 17:47)(2024) Improving Rice Grain Quality Through Ecotype Breeding for Enhancing Food and Nutritional Security in Asia–Pacific Region
- 論文 早川文代 ら(日本食品科学工学会誌 72巻6号)(2025) 米飯の官能評価用語体系の構築