/ə/
短母音
/ə/は、aboutのaのように英語でいちばん多く出る、弱く短くあいまいな母音です。口を半開きにして、舌も唇も何もせずため息のように出します。強く読む音節には現れず、弱く読む音節だけに出るのが特徴で、日本語には弱い母音という概念がないため、日本語話者の英語が平坦に聞こえる最大の理由になっています。
どんな音?
弱く、短く、あいまいな音です。特定の音ではなく「力が抜けたときの母音」で、英語で最も出現頻度の高い母音がこれです。Pronunciation Studio(発音指導の事業者)は、ネイティブが発音する母音のおよそ3分の1がシュワーだとし、3音節以上の語にはほぼ必ず出てくると説明します。強く読む音節には現れず、必ず弱く読む音節だけに出るのも大きな特徴です。
口の作り方
口を半開きにして、舌も唇も何もせず、ため息のように「ァ」と出す。これ以上ないほど楽な音で、楽だからこそ弱い音節はすべてこれになります。Rachel's English(アメリカ英語)は、シュワーの直後に l・m・n・r が続くときはシュワーを独立させず、次の子音に吸収させてよいと説明し、father は「ファザー」ではなく th から r へ直接つながる音になると述べます。
日本語とのちがい
日本語には弱い母音という概念がなく、すべての母音をはっきり発音します。これが「日本語英語が平坦に聞こえる」最大の理由です。about を「アバウト」ではなく「ァバウト」、banana を「バナナ」ではなく「バナァナ」にするだけで、かなり英語らしくなります。Tomita ら(2010)は、日本語話者4人とアメリカ英語話者2人のフォルマントを比べ、シュワーの位置は日本語話者のほうがばらついたと報告します。同じ弱い音へ揃えきれていません。
この音を含む語
about, sofa, banana, problem, support, the(弱形)
出典
- 資料・英語 Rachel's English English: How to Pronounce the Schwa [ə]
- 資料・英語 Pronunciation Studio Schwa /ə/ - a Pronunciation Guide to the Most Common Vowel Sound
- 論文・英語 Tomita K, Yamada J, Takatsuka S(2010) English vowel spaces produced by Japanese speakers: the smaller point vowels' and the greater schwas'
解説動画: カタカナ英語を卒業しよう シュワ(schwa)の発音 twoとto/ fourとforの発音の違い(英語のアクセントとイントネーション⑤)[#109]/『あいうえおフォニックス』英語発音
英語で最も使われる母音: シュワー(schwa)=暗くて弱い音。英語で最もよく使われる母音として紹介されている。banana の弱い部分がこれ。
カタカナ読みとの違い: about は「アバウト」ではなく ə-bout、family は「ファミリー」ではなく fam-ə-ly、student は「スチューデント」ではなく stu-də-nt。ローマ字のように読んでしまうのがカタカナ英語の正体で、脱出するにはまずアクセントの位置を確認し、アクセントの無いところを弱く読む。
つづりからは分からない: どこがシュワーになるかは文字だけでは判別できない—— 音を聞くしかない。ただし裏を返せば、アクセントの位置さえ押さえて強調すべきところを強調すれば、残りの発音は適当でよいということでもある、と前向きに整理している。
機能語もシュワーになる: 強調しない前置詞もシュワーになることが多い。例としてtwo(切符2枚)は大事なのでしっかり伸ばすが、to は重要でないのでサッと弱く発音するという対比を挙げている。